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[サニックス杯]横浜FMユースがU-17日本代表破り、初優勝!

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[3.23サニックス杯国際ユース大会 横浜FMユース 2-0 U-17日本代表 グローバルアリーナ]

 サニックス杯国際ユースサッカー大会2014は大会最終日の23日、福岡県宗像市のグローバルアリーナで決勝などを行った。横浜F・マリノスユースとU-17日本代表による決勝は2-0で横浜FMユースが勝利し、大会初優勝を飾った。

 立ち上がりチャンスを作ったのはU-17代表。前半2分に左サイドを破ったDF吹ヶ徳喜(名古屋U18)の低いクロスから反対サイドのMF小川紘生(浦和ユース)がシュートを打ったほか、MF鈴木徳真(前橋育英高)を起点にしたボール回しから、FW長沼洋一(広島ユース)にあて、サイドとFW岸本武流(C大阪U-18)の飛び出しからチャンスを作る。しかし、「立ち上がり5分くらいは予想通り、相手に回されるような形が多かったけど、選手のスイッチが入ってからは上手く行ったと思う。守備でリズムをとりながら、攻撃に移りたいと思っていた狙いが出来た」(阿井達也監督)という横浜FMユースに対し、U-17代表は「自分たちのペースだったけど、自分たちのミスからチャンスを与える事が多かった」(長沼)と流れに乗り切れない。

 次第に中盤でのボール回しが滞り、自陣でのパスミスが増えたU-17代表に横浜FMユースは高い位置からのプレスで対抗する。奪ってから素早く攻撃に繋ぎ、前半36分には鈴木のミスを奪ったFW中杉雄貴がそのままドリブルでゴール前へ前進。相手DFを寄せ付けたところで、左サイドへとスルーパスを送ると、走り込んだMF田崎遼太郎が落ち着いてゴール右隅に流し込み、先手をとる。

 この1点で状況を変えた横浜FMは後半もDF佐藤陸を中心にきっちりとU-17代表の攻撃を防ぎ、リズムを保ち、ショートカウンターで追加点を奪いに出る。後半28分には高い位置でのチェックで田崎が相手DFのパスをカットすると、そのまま左に流れながら、緩急をつけたドリブルで一気に3人を突破。GKとの1対1に持ち込み、冷静にゴールネットを揺らした。残り10分を切ってからは途中出場のMF杉森考起(名古屋)、FW高木彰人(G大阪ユース)らの仕掛けで1点を奪いにきたU-17代表に対し、横浜FMユースは集中力を切らさずに対応してタイムアップ。「サニックス杯に参加出来たのは、先輩たちがクラブユース選手権で優勝してくれたから。帰った時にありがとうと真剣に言えるように良いゲームをしよう」と試合前に阿井監督が声掛けした目標を達成する、嬉しい大会初優勝を飾った。

 今大会はU-19日本代表候補GK田口潤人、DF斎藤海、千葉駿哉という主力を欠いただけでなく、大会初日にDF長田健も怪我で戦線離脱。決して、ベストメンバーとは言えない構成で挑んでおり、「最初は皆それほど自信が無かった」(佐藤)という。だが、大会が始まり、星稜高、青森山田高という強豪を撃破したことで「オレたち行けるんじゃないという雰囲気になった」(佐藤)チームは準決勝では3日で5試合という過密スケジュールから来る疲労で足が動かなくなりながらも、気持ちで最後まで戦い抜いて昨年JユースカップとプレミアリーグWEST優勝の神戸U-18を撃破して初Vへつなげた。「(準決勝は)格好悪かったけど、勝ちたい一心で頑張ってくれたり、こういう勝ち方が出来るんだという事が分かったのは良かった」と指揮官が評価したように、タイトルだけでなく、目には見えない多くの収穫を手にして大会を終えた。

(取材・文 森田将義)

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