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右SHから狙うエースの座 C大阪FW杉本「曜一朗やフォルランより、点を取れば」

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[3.23 J1第4節 鹿島0-2C大阪 カシマ]

 試合後のミックスゾーン、鹿島アントラーズからリーグ戦で4年ぶりに勝利を挙げたセレッソ大阪の選手の中で、「悔しい。マジで悔しいっす」と、繰り返す選手がいた。右SHとして先発出場したFW杉本健勇だった。「ゴールを決められるチャンスがあっただけに、勝てたことはうれしいけど、すごく悔しいです」と、決定機を生かせなかったことを悔やんだ。

 元日本代表FW西澤明訓が付けていた背番号20を受け継いだストライカー。だが、現在は日本代表でも1トップを張る柿谷曜一朗、ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランに本職のポジションを譲っている。それでも、右サイドでの存在感は、この日の鹿島戦でも光った。

 圧巻だったのは、その高さだ。後方から出てくるハイボールを右サイドでしっかり収めて、攻撃の基準点となった。ランコ・ポポヴィッチ監督は「守備に回った時間も、複数の選手たちが攻撃に絡む意識を持っていた」と話したが、前線にボールの収まる柿谷、杉本がいたからこそ、選手たちは次々に攻め上がることができていた。また、ポポヴィッチ監督が「攻撃から守備に切り替えて、すぐにボールを奪い返していた」と、杉本を評価したように、中盤の選手として求められる守備でもしっかりとチームに貢献していた。

「今は右サイドで出ることが多いですけど、そうやって高さの部分であったり、攻撃の部分でも、守備の部分でも、すべての面で求められています。ヘディングだけではダメだと思いますし、今日はチームとして勝ちましたけど、自分自身チャンスがあった中で、ゴールができなかったので悔しいです。そこを決めきれていたら、もっと楽な展開になっていたと思いますし、あそこで決めきれなかったのは、自分の力不足でもあると思いますので、次は絶対に決めきれるようにしたいなと思っています」

 まずは試合に出ること。そのために、与えられたポジションで求められる役割を、しっかりとこなす。その先にある目標は、明確だ。

「やっぱり自分の求めているというか、本職のポジションは一番前やと思っているし、それはブレていない。でも、チーム状況もあるので、まずは出られるポジションで試合に出ます。その上で、たとえば、(柿谷)曜一朗やフォルランより点を取れば、もっとゴールに近いところでプレーさせてもらえるようになると思っています。そうやって、前向きに捉えていますし、だからこそ、ゴールを決めたかったです」

 世界の舞台で戦うチームメイトに刺激を受けつつ、杉本は自身の技術に磨きをかける。虎視眈々と彼らを超える日を思い描きながら。

(取材・文 河合拓)

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