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実力者を置き去りにした鹿島FW土居「自分が点を取れば勝てる」

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[3.29 J1第5節 横浜FM1-3鹿島 日産]

 日本を代表する2人のCBを一瞬で抜き去った。貴重な同点ゴールを奪った鹿島アントラーズのFW土居聖真はボールを受ける直前、いや試合前から『仕掛ける』ことを意識していた。

「僕は常に試合が終わった後に自分に何が足りなかったかを考えます。ここ最近はバックパスやショートパスばかりでボールを大事にしようとし過ぎて、自分の良さが出ていないんじゃないかと考えていました」とこれまでの試合から見えた自身の課題を語ると、「だからこそ、前を向いてドリブルを仕掛けようという気持ちで試合に入りました」とこの一戦で自分の良さを出そうと決めていた。

 前半から滑らかながらもキレのあるドリブルで見せ場を作った。短い距離だけでなく、長い距離のドリブルで敵陣深くまでボールを運ぶなど、積極的な仕掛けで突破口を開こうとしていた。横浜FMに1点を先行されて迎えた後半9分、その姿勢が結果に結び付く。

 最後方のGK曽ヶ端準からテンポ良くつながれたパスは右SBのDF伊東幸敏へと渡る。そして、伊東の鋭い縦パスに反応したのが土居だった。眼前にはDF中澤佑二、左にはDF栗原勇蔵と日本を代表するDFに行く手を阻まれそうになるが、軽やかなボールタッチで2人を置き去りにすると、GKとの1対1を制して落ち着いて同点ゴールを流し込んだ。

「名前も実力も知られている2人(中澤と栗原)が相手だったので、もちろんリスペクトはしていますが、あまりビビり過ぎてもいけないと思っていました。チャレンジ精神を持ってぶつかろうと思った」と語ったように、物怖じしない姿勢がゴールを生み出した。自身の今季2点目には「打つ瞬間にゴールが見れたので意外と冷静だったのかな」と振り返ったが、この得点が鹿島攻撃陣の導火線に火を付けて、逆転勝利へと導いたのは間違いない。

 昨季終盤に先発に定着したプロ4年目の21歳は、今季開幕から全試合先発出場を続けている。そして、今日のゴールがさらに自信となりそうだと話した。「僕のは同点ゴールでその後に勝ち越しゴールを取ってくれたから逆転できましたが、自分が点を取れば勝てるんだという意識にもつながってくると思う。これをきっかけにもっとゴールを奪いたい」とさらなる爆発を誓った。

(取材・文 折戸岳彦)

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