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[MOM1003]中津東DF河野史勇太(新3年)_堅守支えた165cmの好DF

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.30 ミズノカップU-18IN香川準決勝 中津東高1-0桃山学院高 瀬戸大橋記念公園球技場2]

 165cmのCBが相手の180cmを超えるアタッカーに真っ向勝負。15cm以上の身長差を物ともせずに空中戦で競り勝ち、球際でも全く怯むことなくボールに突っ込んでギリギリの攻防戦を制した。中津東高CB河野史勇太(新3年)はその鉄壁の守りで中津東決勝進出の立て役者になった。

「自分は背が小さいので先に跳んだり、身体を当てたりして競るように日々練習してきました」。新人戦大分県大会準決勝では大分高に0-2で敗戦。相手のパワーの前に屈してしまったことを反省して徹底して強化に取り組んできた。「DF陣が競り合い弱いと今まで言われてきたので、それで日々練習でも取り入れてきた」。河野は今冬、主力のひとりとして全国高校選手権のピッチに立っているが、彼だけでなくDF陣全体がバネをつけて飛ぶ練習や、競り合いからすぐに起きあがっていくようなトレーニングをやってきたことで身体的な差を埋めることができるようになっていた。

 そして今大会では河野とともに高い安定感を誇ったCB松永康太(新2年)や相手のスピードある突破に対抗した左SB福井康平(新3年)、右SB山田大雅(新3年)の4バックが成長した姿を披露。それだけに河野も「一人ひとりの意識高かった。(3人に)感謝したいです」と讃えていた。

 河野は市立船橋と対戦した全国高校選手権初戦で現京都のFW石田雅俊をマンマーク。「石田選手は上手かったですけど、負けたくない気持ちが強かった。石田選手はJリーグにも入るのでとにかく自分らしさを出した」と奮闘して得点に絡ませなかった。直接FKによる失点によって0-1で敗れたが、河野は高校トップクラスのアタッカーにゴールを許さなかったことが自信に。加えて、同じく京都入りした相手DF磐瀬剛のプレーから「あのゴリさ(フィジカルの強さ)、指示のできる選手を目指していきたい。(磐瀬選手の)指示は本当に的確だし、みんな連動していた。試合中も尊敬していました」と目標とする姿も見つけて大分へ帰ってきた。

 決勝までの5大会を通じて見せた対人の強さ、ボールへの執着心の強さを感じさせるプレーなど今大会は獅子奮迅の働きで5試合2失点、そして優勝に貢献した。ただスピードへの対応や相手に対して身体の入れ方が悪くて突破を許したシーンもある。その課題を改善して夏の全国大会予選に臨む。「夏のインハイと、冬の選手権3連覇かかっているのでそれを達成したい。あと、選手権は1勝できていないので頑張って、堅守速攻がベースなので、それを発揮して全国1勝をもぎ取ってきたいと思います」と河野。今大会また手ごたえを得たDFはより成長を遂げて、今度は全国大会で相手アタッカーを封じこむ。

(取材・文 吉田太郎)
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