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[MOM1004]九州国際大付MF庄野海(新3年)_DF圧倒し続けたドリブラーが劇的V弾

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.30 ミズノカップU-18IN香川準決勝 九州国際大付高2-1初芝橋本高 瀬戸大橋記念公園球技場1]

 後半、ボールを奪うと、すかさず前線へボールを放り込み、そのこぼれ球を拾って2次、3次攻撃を繰り返していた九州国際大付。雨中で迷わず続けてくるその執拗な攻撃にで体力を削り取られた初芝橋本にとって、ハイスピードのドリブルで何度も仕掛けてくる彼の存在は脅威だったに違いにない。九州国際大付の10番を背負うMF庄野海(新3年)の打開力十分のドリブルは今大会で大きなインパクトを残した。
 
 本人が「自分たちが今やっている体幹トレーニングやチューブトレーニングを継続していることで、前まではコケてしまうこととかが多かったんですけど、今はコケなくなった。ボディバランスが良くなって、相手がタックルしてくるその反動を使って(相手の懐に)潜れている」と説明するドリブル。DFが捕まえようとしても一瞬の加速と抜群のボディバランスで、相手のタックルを受け流すように前へ抜け出してそのままゴールを陥れてしまう。

 この準決勝では後半12分に左中間からのドリブルでDFを振り切ってGKと1対1に。さらに15分にも個人技で左サイドを打開するなど、雨中のピッチでも見せるスピードあるドリブルと身体ごとぶつられてもスルリと抜け出す粘り腰でDFをかわしていく。そして1-1で迎えた後半終了間際にはDFラインとGKとの間に放り込まれた右アーリークロスに反応。GKを鮮やかに抜き去って決勝点を流し込んだ。
  
 決勝では中津東に敗れたものの、試合終盤に何度も左サイドを単独突破して決定機をつくりだした。その庄野について杉山公一監督は「右左どっちも同じように蹴れる。スピードも、体力もある。相手の状況によってプレーの選択肢を変えることができるようになれば変わってくる」。まだ相手が待ち構えているところに突っ込んでしまったり、決定的なシュートシーンで慌ててしまうなど課題はある。ただ「今大会はあまり良くなかった」と首を傾げた通りならば、その攻撃力は底知れない。「調子いい時はあまり止められる気しないです」という自慢のドリブルは今季、福岡や全国のライバルたちを苦しめることになりそうだ。

「チームがきつい時に誰よりも走って、大事なところで点取れて流れを変えられる選手になりたいです。(好きな選手は)ロッベンです。止められないし、自分もそういう選手になりたい」。より自分を活かす術を学んで、相手の脅威になる。

(取材・文 吉田太郎)
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