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元代表FW小倉氏選考はハートも重視!「adidas UEFA YOUNG CHAMPIONS 2014 日本代表」2選手が新たに決定!!

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 アディダスジャパンは2日、「すべてをかけろ。世界はもう、夢じゃない」というテーマのもと、14歳以下の男子中学生を対象とした5対5のミニゲーム形式の大会「adidas UEFA YOUNG CHAMPIONS 2014 (UEFA ヤングチャンピオンズ)」の日本代表選考九州大会を開催し、5月にポルトガルで開催される「adidas UEFA YOUNG CHAMPIONS 2014」世界大会に出場する日本代表選手としてGK津村和希(ヴィテス福岡FC)と野寄和哉(CAグランロッサ)を選出した。

 「adidas UEFA YOUNG CHAMPIONS」とはマルチスポーツブランドであり、UEFA(欧州サッカー連盟)のオフィシャルサプライヤーパートナーであるアディダスが2001-2002シーズンより、「UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)」の大会開催に併せて13~14歳のプレーヤーを対象とした欧州CL決勝開催国代表と他国の選抜チームによる国際大会として実施。今年は欧州CL決勝がポルトガルのリスボンで開催されるため、「adidas UEFA YOUNG CHAMPIONS 2014」は5月20日から26日までの期間にリスボンで開催地代表のポルトガル、ブラジル、アメリカ、そして日本の4か国のU-14選抜チームが世界一を懸けて争う。

 アディダスの国内グループ会社であるアディダスジャパンは今回、世界大会に出場する日本代表を選抜するために関西、九州、関東で各エリア大会を開催し、各エリアより大会優秀選手を2名ずつ、計6名を選出して「adidas UEFA YOUNG CHAMPIONS 2014 日本代表」を結成。監督を務める元日本代表DF宮本恒靖氏の指揮の下、世界一を目指す。世界大会開催中には、欧州CL決勝戦観戦やポルトガルの名門、ベンフィカコーチによるトレーニングセッション、アディダスグローバル契約選手との懇親会も予定されており、同世代で彼らしか体験できないような貴重な日々を送ることができる。

 10代での特別な経験を将来につなげる。今回の九州大会の選考を担当したのは元日本代表FW小倉隆史氏。高校時代から“レフティーモンスター”という異名を持ち全国大会優勝も経験した小倉氏は、10代でオランダに渡り、20歳で日本代表デビュー。そして直後にフランス代表戦でゴールを決めた。10代で周囲の選手よりも貴重な体験をしてきた小倉氏は今大会について「いかにちっちゃいうちから、いろいろな国の人たちとかとゲームで対戦して肌で感じることも大事ですし、サッカーが世界で一番やられている球技だと思うので、その中で世界観を感じられるのは、今の時代にも合っていると思う」と期待する。

 小倉氏が「(オランダで)外から日本を見るというのも面白かったですし、国が違えばサッカーも違っていろいろな違いも感じられてやれたのはいい経験になれたと思う」という海外でプレーする経験を今回世界に挑戦する選手たちは、わずかではあるが14歳で経験することができる。小倉氏は彼らU-14世代の選手たちへ向けて「もし目標としてJリーガーになりたい、日本代表に入りたい、海外のビッグクラブに行きたいという目標を立ててやるんだったら、コーチの人に与えられるんじゃなくて、言ってもらおうとするんじゃなくて、自分で考えていってほしいなと思いますね。絶対に上手くなる指導方法なんてない。よりベターなチームづくりの方法はあっても上手くなっていくのは自分次第。だから与えてもらおうというんじゃなくて、自らいろいろ工夫して掴んで行く姿勢の方がいい。目標ができたときにはそういう姿勢で向かっていってほしいですね」とアドバイスを送った。

 未来を切り開くための後押しにもなる「adidas UEFA YOUNG CHAMPIONS 2014」はすでに3月31日に関西大会が行われ、薮井大和(Jフィールド岡山FC)と梅津克貴(アスペガス生駒FC)の2選手が世界へのチケットを手にしている。今回の九州大会は、「本気で世界に挑戦したい」という若き才能たちによる第2ラウンド。参加24チームの選手たちが優勝と世界を目指してトレーニングの成果を出し合った。それを結果に結びつけたCAグランロッサとヴィテス福岡FC Aが決勝へ進出。そして10分ハーフの決勝戦が、敗退チームの選手たちや小倉氏が見守る中で行なわれた。

 その決勝は前半8分、スルーパスからグランロッサの野寄が決定的なシュート。ヴィテス福岡は横山和輝のスーパークリアで難を逃れたが、グランロッサは10分に相手のミスパスをインターセプトした古賀勇貴が左足で先制点をねじ込む。さらに後半1分、野寄が加点して2-0と突き放した。DFからどんどんドリブルを仕掛け、相手DFの間へ強引に入り込んだり、アイディアあるパスで攻めるグランロッサは6分にも加来岳琉が加点。津村が大声でチームを鼓舞するヴィテス福岡も9分にカウンターから溝口峻が1点を返したが、逃げ切ったグランロッサが3-1で勝ち、頂点に立った。

 決勝戦終了後の閉会式で小倉氏が日本代表2名を発表。小倉氏の選考で特長的だったのは技術はもちろん、「国際大会とかやる時に一番ハートが強いヤツじゃないと戦えない」と闘争心の強さも求めたところだ。「決勝戦では3点入れられてしまいましたけれども、前の試合でも、決勝戦でもナイスセービングがありましたし、何より声を出し続けて、負けていても鼓舞していたところはアトランタオリンピックの川口能活を思い出しました」とキャプテンシーを絶賛した津村と、「1対1で仕掛けられる個というのと、1対1のところで粘り強く頑張ってプレーする、また負けん気の強さもプレーに表れていた。技術の高さ、それプラスハートの部分も見えたので学年に関係なく選びました」と新中学3年生ではなく、新中学2年生で155cm、45kgと小柄ながらも印象的なプレーを見せた野寄を日本代表に選んだ。

 「adidas UEFA YOUNG CHAMPIONS 2014 日本代表」として「ポルトガル決戦」に臨むことになった2人。津村は「負けて涙流すのは嫌だなと思って、だから(普段から)勝ちにはこだわりたいです」と語り、野寄も「負けたら悔しいし、だから負けないようにしている」と負けん気の強さを口にした。技術面の評価はもちろん、その勝利にこだわる姿勢も勝者となった要因。その姿勢を前面に出して世界で戦ってくる。野寄は「(日本代表として名前を呼ばれた瞬間は)まさかと思って。でも嬉しかったです。(きょうは)1対1などの局面打開が良くできていた。緊張するけれど、ほかのメンバーと日本代表として勝てるように頑張りたいです。自分の良さを積極的に出して、自分は小さいけれど大きい選手に負けないくらい頑張りたいです」と宣言し、津村は「本当にちょっと前までは遠い、簡単にはいけないところだと思っていた。こういうところに行くことで全然違う考え方だったり感じることができる」と世界へ向けた思いを口にし、「(世界大会では)勝ちたいと思います。これまで支えてくれたチームの方や保護者の方の思いを背負って戦っていければいいなと思います」と意気込んだ。

 技術を磨くだけでなく、世界で戦うハートを持っているか。それも世界で羽ばたくためには必要になってくる。「adidas UEFA YOUNG CHAMPIONS 2014 日本代表」は4月5日にマリノスタウンで開催される関東大会で残り2人が決定。技術とハートを兼ね備え、日本代表として世界と対峙する「若きサムライ」6選手が出そろう。

[写真]左から日本代表に選出された津村、選考を担当した小倉氏、野寄

(取材・文 吉田太郎)

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