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[MOM296]専修大MF北出雄星(3年)_ケルン長澤の後継「7番」が6発勝利導く

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.5 関東大学リーグ1部第1節 専修大6-0駒澤大 味フィ西]

 ケルン(ドイツ)で活躍中のMF長澤和輝の後継「7番」が開幕戦で躍動した。専修大はチームの主将として、攻撃の柱としてチームの関東リーグ1部3連覇に貢献してきた長澤が卒業。周囲から攻撃力低下を不安視される中、源平貴久監督から長澤が背負っていた7番の後継者に指名されたMF北出雄星(3年=三菱養和SCユース)が2得点1アシストの活躍で6発快勝に導いた。

 長澤のようなキレ味十分のドリブル、打開力はない。ただ指揮官が「(長澤と北出には)それぞれ強みと弱みがある。きょうは北出が自分の運動量や反応の速さというところで発揮してくれたかなと思います。守備力、周囲と連動してというところは北出の方がある。彼が入るとコンスタントに流れがよくなる」と評した北出は持ち味の運動量と周囲を活かす動きでチームを活性化した。

 4-3-3システムのトップ下のポジションで先発した北出はポジショニングの上手さと正確なタッチのボールコントロールで攻撃のリズムを生むと、2-0の後半19分にはエースFW仲川輝人からのパスをゴール右隅に決めて今季初ゴール。さらに45分にMF野田卓宏のゴールを演出すると、直後には「ボール蹴れなくて『練習しろ』と言われていて、特にこの春休みは練習していました」と取り組んでいた“えぐい”右足ミドルをクロスバーにぶち当てた。今季10得点10アシストの目標を公言しているMFは止まらない。アディショナルタイムにはこの日2点目のゴールを決めてゴールラッシュを締めくくった。

「(長澤)和輝クンにはできないような、オレなりのプレーでチームに貢献できればと思っていた。和輝クンはドリブルとか凄いんですけど、自分は味方を使ってみんながやりやすいようにリズムをつくるように意識しています。(献身的な守備も含めて)チームのためにという感じです」と北出。6-0の快勝発進について「とりあえず安心しています。良かったです」とホッとした表情を見せていた。

 ドリブル、ラストパス、シュートすべてが大学トップレベルだった長澤とタイプは違う。ただ前任の「7番」は北出にとって目標とする存在だ。「背中をずっと見てきた。あの人は練習とかも凄くしていて、凄いなという感じでした」という。その長澤に代わる7番を源平監督から渡された際は「マジか!と。すげぇ重かったです」と本音を告白するが、「和輝クンたちがいないから今年は弱いねとは絶対に言われたくなかったので、星クン(星野有亮)とか中盤の3人でいつも話していました」という北出は精力的に自主練習に取り組み、シュート力向上などに務めてきた。「とにかく自主練をしようかなと、そうすればきょうみたいに結果が出たのでこれからも続けていきたい」。北出にとって長澤は簡単には乗り越えることができない存在。ただ、自分なりのプレーでチームを連覇へ導き、全国タイトルも獲得することでその「位置」に肩を並べる。

(取材・文 吉田太郎)
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