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中盤でパスをさばいたC大阪FWフォルラン「ああいうプレーもやる」

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[4.6 J1第6節 柏2-1C大阪 柏]

 これまで最前線でボールを待っている動きが多かったセレッソ大阪のFWフォルランだが、柏レイソル戦では中盤にも下りて行き、持ち味のロングキックでボールをサイドに散らすなど、これまではあまり見せたことのないプレーを見せた。

 チームは2日にアウェーでACLのブリーラム・U戦(2-2)を行ったばかり。気候の違いもあってか、C大阪の選手たちの動きは重く、開始6分でFW田中順也に先制点を決められて、追う展開となった。その中で攻撃を活性化していたのが、フォルランだった。

 10分を過ぎたあたりから、2列目、3列目と少しずつ低い位置でボールを受け出し、精度の高いキックを前線、サイドに供給した。「なかなかボールが回らないところがあって、僕の経験から、ああいうプレーが必要だと思いました。僕は、ああいうポジションでのプレーもやるし、前の方でのプレーもやります。今日は、(柿谷)曜一朗、(長谷川)アーリア(ジャスール)、(南野)拓実らのスピードを、どんどん生かした方がいいのではないかと思って、ああいう動きを入れました」と、フォルランは明かす。

 前半17分にフォルランは裏のスペースへ抜けるFW柿谷曜一朗にロングボールを出し、同20分にも左サイドのMF南野拓実へ長い距離のパスを送った。いずれもボールが少し強かったこともあり、受け手がトラップしきれなかったが、新たなオプションになる可能性を垣間見せた。その後も30分にはPA内でMF長谷川アーリアジャスールからパスを受けて、柿谷にGKと1対1になる決定機をお膳立てしたが、同点に追いつくことはできなかった。

 後半に入ると前線に残ってのプレーが増え、広く知られるストライカーの顔を見せた。後半29分にボールを受けて短くドリブルをして、強烈なシュートを放ったが、GK菅野孝憲の好セーブに阻まれる。その後も37分、40分と途中出場のMF楠神順平が絡んだ攻撃からフィニッシュに持ち込んだが、体を張る柏守備に阻まれ、後半アディショナルタイムにPA内から放った4本目のシュートも、わずかに上へ外れて行った。

「前半は決定機をつくれて、同点にできるチャンスがありました。そこで決めきれなかったことが残念です。ああいう状況で、冷静になれるかどうか。1試合の中で必ずああいう場面はあるので決められるようにしたい」と、フォルランはフィニッシュの精度を課題に挙げた。

 試合に敗れたものの、フォルラン自身は手応えを感じているようだ。「このチームはとても良いチームです。良い試合ができていると思う。今日も内容は悪くなかったけど、最初にゴールを決められて難しくなりました。でも、その後はチャンスをつくれていた」と、敗戦を悲観しすぎることはないと強調した。

(取材・文 河合拓)

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