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29歳で代表候補初選出の石原「何で自分なのかな」

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 日本代表候補合宿が7日、スタートし、追加招集のFW石原直樹(広島)ら代表候補初選出7人を含む23選手が千葉県内に集合した。

 29歳で初の日本代表候補に選出された石原は攻撃の戦術練習で右サイドハーフのポジションに入り、黙々と汗を流していた。「正直なところ何でかなと思った」。前日6日の追加招集。FW小林悠(川崎F)が負傷のため不参加が決まり、日本代表候補の“次点”から繰り上がった。

「他にもいい選手はいっぱいいるし、何で自分なのかなと。チームも調子は良かったし、僕自身、コンディションはよかったけど、(3日に)メンバー発表があって、それだけかなと思っていた」

 高崎経済大附高(群馬)から03年に当時J2の湘南に入団。09年に大宮へ移籍し、自身初のJ1でレギュラーあるいはスーパーサブとして結果を残した。12年に広島に移籍すると、2連覇に貢献。昨季はJ1で自身初のシーズン2ケタ得点を記録した。

 無名の存在から着実にステップアップしてきた石原だが、これまで世代別を含めて日本代表には縁がなかった。「この合宿に参加できているのも、Jリーグでやってきたおかげだと思う。これまでやってきたことは間違っていなかったというか、Jリーグでしっかりやってきてよかった」。初めて日本代表の練習着に袖を通し、「チームとして連覇という結果も出せているし、チームのおかげで自分も呼ばれていると思う」と、あらためて広島のチームメイトに感謝した。

 ブラジルW杯メンバー発表前最後の候補合宿。海外組や国内組の常連が招集を見送られる中、選考のボーダーライン上にいる選手や新戦力の見極めが最大のテーマとなる。今回のメンバーからブラジル行きの切符をつかみ取る選手は多くても数人だろう。それでも「追加(招集)なので。この中で一番下だと思う」と話す遅咲きのアタッカーは「残り2日間、一生懸命やって自分の良さを出せれば。この2日間とそのあとのJリーグでしっかり結果を出していきたい」と、最後の最後まで無欲にアピールしていく。

(取材・文 西山紘平)

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