beacon

負傷で緊急帰国のフットサル代表エースFP森岡薫「鬼の回復力を見せます」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 スペイン遠征を行っているフットサル日本代表は、現地時間7日にサンチアゴ・フットサルと練習試合を行い、1-4で敗れた。この遠征に参加していたが、2日のマグナ・ナバーラ戦で負傷し、チームを離脱して6日に帰国したFP森岡薫は都内でリハビリを開始し、ゲキサカの取材に対して「アジア選手権には間に合わせる」と意気込みを語っている。

 ミゲル・ロドリゴ監督が「彼がチームに与えられるものを、他に与えられる選手はいない」と公言する絶対的エースは、これまでチームの活動から離脱しなければならないほどのケガとは無縁だった。自身のフェイスブックで公開された写真では、右足がしっかりと固定されており、30日に開幕するAFCフットサル選手権ベトナム2014の出場にも影響はあるのではないかと心配された。

 どのような状況でケガをしたのかという問いに森岡は「ピヴォの位置でボールを受けて、振り向いた瞬間にマークを外したんです。振り向いた瞬間にシュートを打ちにいったんだけど、そのときに相手がカバーに来ていた。ブロックする相手の足を、ボールと一緒に蹴る形になってしまって、負傷してしまいました」と、明かす。

「そこまでひどいケガではないけど、スペインにいたら長時間の移動もあるし、練習も試合もできない状況なので。ベトナム(アジア選手権)まで1か月しかなかったから、先に帰って治療とリハビリを行い、(16日からの)名古屋合宿に合流できるようにしようと、チームと話して帰国しました。スペインで一度診察を受けて、帰国してからも診察を受けましたが『全治3週間』と言われています。チームドクターには『もっと酷いケガになる恐れもあった』と言われたので、不幸中の幸いでした」と説明する。

 それでも、スペイン遠征を途中離脱することになった悔しさは大きい。「悔しいですね。(最終戦の世界屈指の名門である)インテル戦は現実的に勝つのは難しいかもしれないけど、『残りの試合は勝って帰ろう』と話していたのでね。しかも、ケガをした試合、キャプテンマークを巻いていたのに。そこでケガしたから、情けないですよ。昨年もスペイン遠征の最後の試合でキャプテンマークを巻いて、その試合は引き分けたけど、個人的には4点取っていたから、良いイメージがあったんですけどね。この試合も良い感じで戦えていたのに、0-1で負けてしまったから」と、唇を噛んだ。

 8日から都内でリハビリを開始するという森岡は、「前向きに考えれば、体を休めることもできるし、万全の状態でアジア選手権に臨めるかもしれない。あとは自分の回復次第ということなので、鬼の回復力を見せますよ。プレーだけでなく、回復力もすごいんだぞっていうところを見せないと」と、早期復帰へ自信を見せた。

 2012年8月に日本国籍を取得した森岡にとって、今回が初めてのアジア選手権であり、大会出場へ並々ならぬ意欲を燃やしていた。さらに、愛知県が2020年のフットサルW杯開催に動き出したことも、森岡の闘志を掻き立てる。

「(開催が決まれば)日本フットサル界にとって、最高の出来事だと思います。僕の所属する名古屋オーシャンズがある愛知県ですし、そのときは41歳だから現時点では僕が出ることは考えられないけど、ずっと愛知でプレーしてきたから、何らかの形でサポートしたい。今回のアジア選手権で日本が初めて連覇できれば、アピールになると思う。アジア1位で開催国になれれば、自慢だし、誇りに思えるからね。僕にとっては初めてのアジア選手権だし、ちょっとケガをしたくらいで出られないっていうのでは、恰好がつかない。みんなもスペインで頑張っているし、大嫌いなリハビリですが、僕も絶対に間に合わせます」と、言葉に力を込めた。

(取材・文 河合拓)

TOP