beacon

[関東1部]選手権のヒーロー、駒澤大SB竹澤は王者に0-6も「ここで落ち込むんじゃなくて次へ」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.5 関東大学リーグ1部第1節 専修大6-0駒澤大 味フィ西]

 高校選手権のヒーローにとってのデビュー戦は、大学サッカーのレベルの高さを痛感する結果となった。駒澤大の1年生DF竹澤昂樹(富山一高)は昨年度の全国高校選手権で富山一高(富山)の初優勝に貢献した左SB。星稜高(石川)との決勝では1-2の後半終了間際に同点ゴールにつながるPKを獲得したほか、ハイレベルなボールコントロール技術とキープ力の高さ、高精度の左足で非常に印象的な活躍を見せた。

 国立決勝で多くの観衆、関係者の心を掴んだDFはその後日本高校選抜入り。2月にU-18Jリーグ選抜と戦った「NEXT GENERATION MATCH」でも決勝点をアシストするなど高体連を代表する左SBとしての評価を勝ち取って名門・駒澤大へ進学した。3月4日に行われた富山一高の卒業式後に駒大に合流したが、日本高校選抜合宿などがあったため、なかなかチームの練習に参加することができず。それでも開幕1週間前から先発組に加わり、この日の開幕戦を迎えていた。
 
 デビュー戦の相手は、リーグ3連覇中の絶対王者・専修大。それもマッチアップしたのは昨年のリーグ得点王で大学ナンバー1アタッカーの呼び声高い全日本大学選抜FW仲川輝人だった。加えて後方からは同じく全日本大学選抜の右SB北爪健吾が圧倒的な走力を活かして駆け上がってくる。それでも前半は持ち味の攻撃参加と左足クロスを披露。守備面でもタイミングのいいインターセプトでボールを奪い取るなど健闘していた。

 ただ、仲川が「選手権で注目されていてどれくらいやってくるんだろうとか、自分ら4年生が圧倒されないように、自分たちが主導権取ろうと健吾(北爪)と話していた。絶対に負けないようにした」と語ったように、大学サッカー界最強の右サイドが襲いかかってくる。前半27分に右サイドから切れ込んだ仲川が左足シュートを決めると、2-0の後半にも4ゴール。1部復帰戦だった駒大にとっては、屈辱的な0-6のスタートとなってしまった。竹澤は「前半は何も考えずに自分のプレーだけしようと考えていたので、ああいう(積極的な)プレーになったのかなと思うんですけど、そこからゴールに結びつかなかったことはちょっと課題の残る試合になりました。試合してみて、スピードとか、フィジカルとか、違うなと痛感しましたし、やれる部分はあるんですけど、高校と比べてやれない部分が多くて・・・。ただ、負けましたけれど、学ぶことが多かったので、ここで落ち込むんじゃなくて次に向けてしっかりと準備していきたいですね」と前を向いた。

 0-6の敗戦の中でも通用した部分を感じている。「インターセプトのタイミングとかでボールが取れたり、相手が(プレッシャーに)来ない限りはいいキックが蹴れるんで、そういう部分では通用したかなと思います」。今後はその部分を磨き、課題として残ったことも努力して改善し、大学でもチームが頂点に立つことに貢献する。11日からは日本高校選抜合宿が始まり、その後のドイツ遠征で「デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会」に出場する。「海外サッカーというのはフィジカルが強くてスピードも速いので、それを感じてチームに帰ってこれたら個人としても成長できるし、それをチームとしてもいいチャンスに繋げられればと思います」。駒大からは半月ほど離れることになるが、ドイツでしっかりと成長して帰ってくる。

[写真]大学ナンバー1アタッカー、専修大FW仲川とマッチアップした駒澤大DF竹澤(右)
  
(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
第88回関東大学リーグ特集ページ

TOP