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ザックも評価、右SBとCBでプレーした塩谷「どっちもできる」

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[4.9 練習試合 日本代表候補2-0流通経済大]

 Jリーグでの勢いそのままに猛アピールした。日本代表候補に初選出されたDF塩谷司(広島)は後半開始から右SBで出場。同20分からはDF鈴木大輔とポジションを入れ替え、CBに入った。

 所属する広島では3バックの右ストッパー。国士舘大4年時に中盤からCBにコンバートされた塩谷にとって、右SBでの対外試合出場は初めてだったが、積極的にくさびのパスにチャレンジし、果敢に右サイドをオーバーラップしてクロスまで持ち込むなど柔軟にプレーした。

 後半6分、MF柴崎岳のミドルパスに反応し、右サイドのスペースに飛び出すと、ゴール前に正確なクロスを供給。FW川又堅碁のボレーシュートはゴール上に外れてアシストとはならなかったが、ピッチ上で存在感を発揮した。

「サイドバックのときは前にも上がれたし、クロスも上げられた。くさびのパスとか、攻撃的な良さは出せたかなと思う」と、自身も手応えを口にする出来。CBに移ってからも対人の強さを発揮し、無難なプレーを見せた。

 個別の選手名には言及しなかったアルベルト・ザッケローニ監督だが、「例えばクラブと異なるポジションをやらせたが、いけるかなというポジティブな反応があったことはよかった」と指摘。「ポジティブ」な印象を残した選手の一人が塩谷だったのは間違いない。

「できるところが多いに越したことはない。どっちもできることはアピールできたと思う」。日本代表の最終ラインはDF内田篤人、DF吉田麻也、DF今野泰幸、DF長友佑都というレギュラー陣に加え、DF酒井宏樹、DF森重真人、DF伊野波雅彦、DF酒井高徳というバックアップまである程度、固まってきた感は否めない。

 とはいえ、内田と吉田は現時点で負傷離脱中で、伊野波や酒井高といったバックアップ陣も絶対的な存在ではない。今後、新たな故障者が出てしまう可能性もゼロではなく、勢いとユーティリティー性を武器に塩谷が割って入ってもおかしくはない。「Jリーグは続くし、そこしかアピールの場はない。しっかり1試合1試合やっていくことが大事だと思う」。2年前まではJ2でプレーしていた25歳のDFが、5月12日にサプライズを起こせるか。

(取材・文 西山紘平)

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