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[MOM1009]静岡学園DF石渡旭(3年)_名門の浮沈のカギ握る「漢」

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.12 高円宮杯プリンスリーグ東海第1節 静岡学園高 3-0 磐田東高 藤枝総合]

「アイツが速い10番とかに対して、先に動いてカバーリングをしていた。アイツがいなかったら一発食らっていたと思う」。静岡学園高(静岡)の川口修監督はその安定したプレーを称賛していた。圧倒的な攻撃力で相手を凌駕するサッカーを展開する一方、攻め続けながら一発に泣くことも少なくない静岡学園。この日は相手のカウンターに対して警戒しながらのボール回しをする一方、指揮官が「今年は石渡もいるから何とか踏ん張れる」と信頼を寄せるCB石渡旭主将(3年)の好守もあって完封勝利を収めた。

 昨年も夏までボランチでレギュラーを務めていた石渡の守備能力についてはチーム屈指。決して大柄ではないが、危機察知能力の高さ、上体とフィジカルコンタクトの強さでピンチの芽を摘み取っていく。この日も背後に抜け出そうとしてくる相手アタッカーの前に身体をねじ込んでストップ。攻撃性能はまだまだ高める必要性があるが、「ガンガン言います。自分が声出してやんないといけない」という174cmのCBはリーダーシップ、コーチングも含めてチームにとって欠かせない存在だ。

 昨年も中盤の潰し役、先輩にも物おじせずに意見できる選手として存在感を示していたが、高校総体後にBチームへ転落。「(試合の)途中でキレてしまっていた。チームに対してイラついちゃったりしていた。そして(周りに頼り過ぎるなど)自分がヌルくなって落とされてしまったんですけど、そこで自分を変えないといけないと思い知らされました。それはありがたいことだった。チームのみんなに声をかけ続けたり、自分の闘志をむき出しにし続けたりすることを意識している」。元々チームメートたちから一目置かれる存在。「変わった」石渡は主将としてチームを力強く引っ張ている。

 好きな選手はブラジル代表CBダビド・ルイス。「自分とは身体能力が違うんで参考にはならないですけど。何か『オマエ、絶対コロスぞ』と言う感じでFW見ている雰囲気が好きです。『食われる前に、食うぞ』みたいな。自分もそれは常に思っています。自分のところでやられたら点取られるくらいの気持ちでCBはやらないといけない」。“静学が生きるか死ぬか”また“静学が浮上するのか、低迷しるのか”は自分次第という意識で戦う「漢」。リーダーとして守備の柱として名門を勝利へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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