beacon

[MOM1010]藤枝東MF大場淳矢(3年)_安定感もたらした名門の“心臓”

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.12 高円宮杯プリンスリーグ東海第1節 藤枝東高 4-1 帝京大可児高 藤枝総合]

 今年、全国での勝利をターゲットに掲げている藤枝東高(静岡)の中盤で躍動する“心臓”だ。昨年度の全国高校選手権に5年ぶりとなる出場を果たした藤枝東のゲーム主将を務めるMF大場淳矢(3年)は3-4-3システムのアンカーのポジションでプレー。本人も自信を見せる守備面では元アタッカーの選手中心で経験の浅い3バックをコントロールすると、スペースへ飛び出そうとしてくる相手を反応良く捕まえて突破を許さない。そして厳しいチェックでボールをもぎ取れば、DFと前線とのリンク役を務めた攻撃面ではプレッシャーを受けても上手くボールと相手との間に身体を入れてキープ。タメをつくりつつ、そこからのサイドチェンジで展開を変えたほか、サイドのスペースへ思い切って飛び出して決定的なラストパスを配球するなど攻守両面で非常に良く利いていた。

 新人戦まではダイヤモンド型に配置された中盤でアンカーの1つ前方のポジションを務めていた。ただ中学時代も務めていた中盤の底の位置、アンカーは大場にとって得意としているポジション。それまでやや安定しなかった守備の改善を目指すチームの中で大場は、吉野友三監督が「(ポジション柄周囲を観察しながら)いろいろ考えないといけないことがある。攻撃面ではサイドチェンジしたり起点にならないといけないし、守備の時にはスペースを埋めながらやらなければいけない」というアンカー役に指名され、本人も「やってみて、チームとして安定感が増してきたのは自分でも感じている。自分が大事なポジションを任せてもらっているのは嬉しいことですし、期待に応えられるようにしっかりとゲームコントロールして、自分が崩れるとチームが崩れるという意識でやっている。自分が止めれれば失点しないですし、自分が全部止めるという気持ちでラインコントロールも自分が率先してやっている」と、守備面の安定感向上などに手ごたえを感じている。

 大場は強力アタッカー陣を擁した昨年も中盤の一角を担っていた。ただ自身では攻撃面で貢献した感触はない。それが最高学年になって攻撃面でも自信をもってプレーすることができ始めている。「去年は守備的ボランチ、守備で相手のボールを取るというイメージだけで入っていて攻撃はチームに迷惑をかけている感じだった。でも、今年は自分がやらないといけない。(その中で)新チームでは相手のプレッシャーを緩く感じていて、自信をもってボールを持てるようになっている。今年は自分が少しでもボールを運ぼうと意識している」。この日もチームの危険を未然に消すプレーが特に印象的だったが、ボールの収めどころになったり、正確な展開で2点目のゴールに絡んだりするなど攻撃面での貢献度も少なくなかった。

 個人的に目標としている選手はC大阪の日本代表MF山口蛍だ。「山口蛍選手は意識している。同じようなポジションで、ハードワークしてボールの取れるMF。(ロンドン)オリンピックで見たときに自分のプレースタイルに似ていると思って、自分の目指す選手だな思った。攻撃面でもいいプレーをしている選手ですし、自分も(攻守両面で)ああいうプレーがしたいと思っている」。チームの主将は人望も厚いエースFW小谷春日が務めるが、ゲームの中では大場がリーダーとして期待されている。「淳矢はワーッとチームを盛り上げるタイプ。1年、2年、3年とチームの統括をするのは小谷だよと。でもゲームの中で引っ張っていくのは淳矢」と指揮官。「自分がキャプテンマークを巻いているからにはやらないといけない。流れを引き寄せるようにしたい」という大場が今年、守備面に加えて攻撃面でもキーマンとして、そしてリーダーとして、全国での勝利を目指すチームを引っ張っていく。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
2014 プリンスリーグ
2014 プリンスリーグ東海

TOP