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電光石火の逆転劇、横浜FMが齋藤の2発で望みをつなぐ

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[4.15 ACLグループリーグ第5節 横浜FM2-1全北現代 日産]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は15日、グループリーグ第5節を行い、G組の横浜F・マリノスはホームで全北現代(韓国)と対戦し、2-1で勝利した。前半7分に先制された横浜FMだったが、後半19分と20分にMF齋藤学が立て続けにゴールを奪い逆転に成功。その後は体を張った守備で全北の反撃をしのぎ切り、勝ち点3を獲得した。

 ここまで1勝1分2敗で最下位に沈む横浜FMは、引き分け以下に終われば他会場の結果次第でグループリーグ敗退が決まる状況に追い込まれていた。自力で最終節に望みをつなぐには、もはや勝利しか残されていなかった。

 しかし、序盤から全北の攻勢を許してゴールを脅かされると前半7分、いきなり先制点を献上してしまう。左サイドのクロスから最後はMFハン・ギョンウォンに押し込まれて1点を先行される。

 すぐさま、反撃に出たい横浜FMだが、ここで思わぬ事態に直面する。司令塔であるMF中村俊輔がMFキム・ナミルの徹底的なマンマークに遭い、自由を奪われる。たとえボールとは逆サイドにいようとも中村はキム・ナミルの監視下に置かれた。背番号10を経由しない攻撃はリズムを生めず、さらにパスミスで相手にボールを献上するなど決定機をなかなか生み出せない。

 前半14分に中村のCKからMF富澤清太郎がヘッドで狙うもシュートは枠上に飛び、同35分にはDFドゥトラのパスから中村がミドルシュートを放つも、GKのセーブに遭い同点に追い付けず。1点のリードを許したまま、前半終了のホイッスルが吹かれた。

 まずは1点を返したい横浜FMは後半開始と同時にMF兵藤慎剛に代えてFW藤田祥史を投入。システムを4-2-3-1から4-4-2に変更して中村を右サイドに移すと、キム・ナミルの執拗なマンマークはなくなりボールに触れる回数が増える。ようやく攻撃にリズムが生まれ始めると、ついに全北ゴールをこじ開ける。

 後半19分、左サイドからのスローインを受けた齋藤がPA外から右足を一閃。鮮やかな軌道を描いたボールはクロスバーに当たり、ゴールに吸い込まれる。観衆もどよめくスーパーゴールで同点に追い付くと、さらに直後の同20分に逆転に成功する。藤田の前線へのパスを相手DFが処理ミスをするとボールは走り込んだ齋藤の足下へ。ラッキーな形でボールを受けた齋藤はGKとの1対1を落ち着いて制して、逆転となるゴールを流し込んだ。

 齋藤の立て続けの2得点で息を吹き返した横浜FMはその後、全北現代の猛攻に遭って押し込まれる時間帯が続いたが、GK榎本哲也が好セーブを見せるなどゴールを許さず。きっちりと逃げ切りを果たして、2-1の逆転勝利を収めた。ホームで2連勝を飾ったチームは、グループリーグ突破の可能性を残して最終節に挑む。

(取材・文 折戸岳彦)

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