beacon

誰もが驚くスーパーゴール、横浜FM齋藤「どんなふうに入ったのか…」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.15 ACLグループリーグ第5節 横浜FM2-1全北現代 日産]

 会場がどよめいたスーパーゴールで試合の流れは一変した。グループステージ突破のためには是が非でも勝ち点3を獲得したい横浜F・マリノスだったが、前半7分に先制を許してしまう。しかし、後半19分に同点に追い付く。しかも誰も予想しないような驚きのシュートで――。

 DFドゥトラのスローインがMF齋藤学の足下へと届くと、齋藤はトラップをせずに右足を豪快に振り抜く。鋭く飛び出したボールは急激に変化し、クロスバーの下を叩いてゴールに吸い込まれた。ゴールが決まった瞬間、齋藤自身も驚きの表情を見せたように、スタジアムに詰めかけたすべての人が度胆を抜かれたゴールとなった。

「ドゥトラがスローインをうまく横に流してくれた。前を見たというか感覚で相手がいないというのは分かっていたので打ちましたが、ビックリしたというか」と衝撃の一撃を振り返るも、「でも自分もちゃんと見てないから、どんなふうに入ったのか良く分かりません」と苦笑した。しかし、「試合前のバスの中でスーパーゴールのビデオを見ていてコーチから『シュートを打たないとああいうスーパーゴールは決まらない、打って何かが起きる』と言われたので、勢いで打てたのは良かったです」と胸を張った。

 さらに直後の後半20分に逆転ゴールを奪う。FW藤田祥史のパスはショートするが、そのボールを相手がコントロールミスして齋藤の足下まで転がってくる。「フジくん(藤田)のパスは短かったと思うけど…」と笑って答えたものの、「相手のミスもありましたが、フジくんを信頼して走っていました」と語ったようにチームメイトを信頼して走り込んでボールを受けると、冷静に逆転弾を流し込んだ。「1対1は緊張しましたが、落ち着いて決められて良かったです」と振り返っている。

 前半はほとんど見せ場を作れなかった。「個人的にも内容が良くなかったし、ドリブルとか裏への動きとか自分の形ができなかった」と唇を噛んだが、「自分の良さを出せていなかったけど、1点取れてポジティブになれました」と話したように、試合の流れを一変させたスーパーゴールは、自身の気持ちの切り替えにもつながったようだ。

 最下位に変わりはないが、価値ある勝利に導いたことでグループGは全チームが勝ち点7で並ぶ大混戦となり、次節のアウェー広州恒大戦で勝利を収めれば自力でのグループリーグ突破が決まる。「今日は勝たないといけなかったし、状況は変わっていません。ただ初戦で0-3で負けた全北に勝てたので、自信を持って広州に乗り込めます」と次戦での必勝を誓った。

(取材・文 折戸岳彦)

▼関連リンク
ACL2014特設ページ

TOP