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[特別対談]横浜FM藤本×齋藤「移籍は関係ない」「連係でゴール」

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 昨季、最終節でリーグ制覇を逃し、今季こそ悲願達成を狙う横浜F・マリノス。左サイドハーフを主戦場とし、日本代表入りも果たしたドリブラーのMF齋藤学。その逆サイドでは、今季から加入したテクニシャンのMF藤本淳吾が存在感を示している。逆サイドでプレーしている両者だが、お互いを感じ合いながらプレーしているように意思疎通はバッチリだ。リーグ制覇を狙うチームのキーマンとなる藤本と齋藤がお互いのこと、学生時代の思い出話からスパイクへのこだわり、そして今季目指すものを語り合った。

――プレーヤーとしてのお互いの印象を教えてください。

藤本「学は大人になったなと思いますよ」

齋藤「どういう意味ですか?」

藤本「2009年の頃なんだけど、サテライトリーグの試合で対戦したのを覚えている? そのときの学は足が速くてドリブルがうまかったけど、プレーが雑というか、勢いまかせなところがあったんだよね。2011年に愛媛に移籍して、どんなきっかけをつかんだのかは分からないけど、今は日本代表にも入っているし、すごく成長したなって感じるよ」

齋藤「初めて言われた、そんなこと。良かった」

藤本「僕が言うのも何だけど、本当にすごいよ。だって2009年の印象が本当に強かったから。あのときはこぼれ球とかも思い切り外してなかった? ボーンって蹴っちゃって」

齋藤「3点くらい決められていたのに全部外して……。メッチャ怒られました」

藤本「自分では変わってきた実感はないの?」

齋藤「自分ではそんなに分かりませんが、確かにあのときは勢いだけでプレーしていたというか、相手チームも自分がどういう選手か知らないので、勢いだけで何とかなっていました。けど練習でもドリブルが通用しなくなってきて、それでも自分には突っ込むしかなくて。それで良くない部分が徐々に出始めてきてしまい、プロ1、2年目は少ししか試合に出られなかったんです。まさか、難しい時期の僕に出会っていたとは……」

――齋藤選手から見た藤本選手はいかがでしょう。

齋藤「いやいや、僕がどうこう言えるレベルじゃないですよ。何を言えば良いんですか(笑)。でも、対戦相手の頃から、プレーのアイデアがすごいなと思って見ていました。チームメイトになって感じるのは、同じ左利きなのに俊さん(中村俊輔)とは全然違ったイメージを持っているということ。あとはすごく走れて、裏への抜け出しもすごいですよね。実際に試合でも息が合うし、一緒にプレーしていて楽しいです」

藤本「僕も楽しいですね。すごく目が合うというか。学がボールを持っているときに僕が走ればボールが出てくると感じるし、逆に僕がボールを持った瞬間にパッと顔を上げると、タイミング良く動き出してくれるよね」

――チームメイトになってそこまで時間が経っていない中でも意思疎通が図れているんですね。

藤本「学は裏に抜ける動きでマーカーをかわせるので、そのタイミングを見逃さずにボールを預けるのが大事だと思っています。僕のタイミングでパスを出しても相手がいるし、学の勢いを殺してしまったら持ち味も出しにくいはずです。学の良さを引き出すのもチームメイトの役割ですからね」

齋藤「淳吾さんは僕の動きをしっかり見てくれている安心感があります。右サイドにいても左利きだから中央にボールを運んでくれるので、そのときに僕がどう動けばいいかを考えながらプレーしていますね。まだ短い期間なのに息が合うと感じるので、もっと一緒にプレーしていけば、去年はなかったような得点パターンが増えると感じています」

――ここからは過去のことを聞かせてください。藤本選手、齋藤選手ともに横浜FMのプライマリー(小学生年代のチーム)出身ですが、どんなことを学びましたか。

齋藤「プロを目指すことが一番の目標である環境の中でプレーできたのは大きかったと思います。夢ではなく、小学生でもプロをちゃんとした目標として捉えて練習していましたからね」

藤本「プライマリーの練習が終わったらユースの選手が練習をしていました。『自分もこうなるんだ』という見本を生で見られて、常に感じられたのはすごく良かったですね」

――小学生のころはどういう練習をしていましたか。

藤本「基礎練習をしっかりやっていました。技術を高める練習が好きだったので、キックの練習はたくさんしていましたね」

齋藤「僕は足が速い方で、スピードを生かしたプレーばかり練習していて、技術的な練習はあまりしなかったですね。中学2年生くらいまではオフザボールの動きや相手の裏を突く動きが好きでしたが、中学3年生くらいから相手をすごく抜けるようになって、ドリブルが楽しく感じ始めました」

――2人とも、そのころに現在のプレーの原型がつくられたわけですね。藤本選手は小中学生のころ、「両足を使いなさい」と指導を受けたことはありませんか?

藤本「言われた記憶はないですね。『右足でボールを蹴れ』とも言われなかったです。レフティー自体が少ないので、あまり言われないんじゃないですかね」

齋藤「僕は両足で蹴っていましたが、なかなかうまくならないものですよね。でも、右利きの選手は左足でも意外と蹴れるようになりますが、左利きの選手の右足はちょっと……(笑)」

藤本「ひどいこと言うね(笑)。最近は右足でもシュートを狙う選択肢が出てきましたが、昔はそういう選択肢はなかったですね。若い左利きの選手にはまずはとことん左足を鍛えてほしいと思います」

――藤本選手はクラブチームと部活を経験していますが、違いは感じましたか?

藤本「部活は学校の延長線上にあるもので、チームメイトとは私生活でもずっと一緒ですが、ユースはいろいろなところから人が集まってくるので、違う楽しみがあると思います。部活は土のグラウンドで練習するので、環境には差がありますが、ハングリー的な要素は部活のほうがあったかもしれません」

齋藤「僕はずっとマリノスでプレーしていますが、部活を経験してきた選手と一緒にプレーすると精神的に強いなと感じますし、上下関係がしっかりしていると思います。年上の選手と仲良くなれるのはユースの良さでもあるし、僕らも上下関係はしっかりしていたつもりですが、仲良くなり過ぎちゃうんですよね(苦笑)。先輩にもタメ口を使ったりしますから」

藤本「そんなのは絶対に無理。先輩にタメ口……、できるわけないよ(笑)」

――中学生や高校生のころ、プロを本気で意識していましたか?

藤本「僕は高校2年からU-16日本代表に入って、その世代の世界を相手に戦ってから、プロを強く意識し始めました。まるで大人と子供のような試合になって、世界との差を痛感したんです。そのときにプロになって、また世界と戦いたいと思いましたね」

齋藤「僕は小学生のころからプロを目標にしていましたが、強く意識し始めたのは高校3年の夏にトップチームの練習に参加したときです。ただ、日々の練習からレベルの高いところでやれていたと思いますし、世代別の代表にも顔を出せていたので、ここで負けたくないという思いでやりながら、その先にプロがあったという印象です」

――小さいころからの相棒であるスパイクへのこだわりを教えていただけますか?

齋藤「僕が履いている『アディゼロ F50』はすごく軽いんです。ドリブルやボールタッチもすごくやりやすくて、僕の特長であるスピードを生かしたプレーを最大限に引き出してくれます。雨でも変わらずにボールタッチできるので、本当にプレーしやすいですね」

藤本「僕はスパイクを履いたときに包まれている感じを重要視しています。今は学と同じ『アディゼロ F50』を履いていますが、足を入れると、スッと包んでくれる印象です。フィット感がありますし、やっぱり軽さは魅力だと思います。昨年まで履いていた『プレデター』も同じように包んでくれる感覚があったので、プレーしやすかったですね」

――中学生や高校生にスパイクを選ぶときのアドバイスをお願いします。

藤本「いろいろなスパイクを試すに越したことはありませんが、何を重要視するかが大事だと思います。例えば『アディゼロ F50』ならスピードや軽さ、『プレデター』ならボールコントロールに優れている特長がありますし、ポジションによっても履くスパイクは変わります。僕の学生時代はスパイクの種類も限られていましたが、今は足の形やプレースタイルでスパイクを選べるので、うらやましいですよ」

齋藤「僕も同じような意見になりますが、いろいろなスパイクを履いてもらって、自分に合うと感じたものを履いてもらいたいですね。あとはスパイクを大事に扱ってもらえればなと思います。今はプロの方にスパイクの管理をお願いしていますが、学生時代は自分でスパイクを磨いていましたし、一足をすごく長く使っていました」

藤本「僕も部活が終わってから、部室や家で一生懸命スパイクを磨いていたよ」

齋藤「スパイクは簡単に履き替えるものではないですもんね。自分で磨けば磨くほど、より愛着も湧いてくるし、スパイクは磨くことがすごく大事だと思うので、そういう姿勢を大事にしてほしいなと思います」

――今季から心強いチームメイトになりましたが、お互いに期待することを教えてください。

藤本「もちろん、ドリブルからのシュートでしょう。去年の大宮戦(第16節)の4人抜きゴール。ああいうのが見たいですね」

齋藤「難しいなあ(笑)。ちなみに僕は逆なんですよ。もっと楽な形で点が取れると思うので、チームとして相手を崩して、自分も淳吾さんもたくさん点を取っていければと思っています。去年、自分は4点しか取れなかったので、もっと取らないと」

藤本「えっ!? 4点なの!?」

齋藤「4点しか取れていませんよ。しかも全部ドリブルからのシュートでした」

藤本「いいじゃん、それで。学の持ち味だから良いと思うよ」

齋藤「いや、もっといろんな形、コンビネーションで点を取れるようになりたいんですよ」

――最後に今季の意気込みと目標をお願いします。

齋藤「ドリブル以外のパターンでゴールを奪うのも目標ですが、何よりも去年果たせなかったJリーグ制覇を成し遂げるために、しっかりとやっていければと思います」

藤本「去年は最後の最後でつかみ切れなかった優勝だったと思うので、今年はそれをしっかりとつかめるようにしたいです。今シーズンから移籍してきたとかは関係なく、その目標に向かってチーム一丸となって頑張っていくだけです」

(取材・文 折戸岳彦)

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