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[MOM299]順天堂大MF内山秀輝(4年)_「一番の発見」全日本大学選抜指揮官も絶賛した潰し屋

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.16 関東大学リーグ1部第3節 順天堂大 0-0 早稲田大 江戸川陸]
 
 視察した全日本大学選抜の神川明彦監督(明治大)が「きょう一番の発見は順天の7番ですよ!」と興奮した様子で話し、「今4年生なのが残念…」と来年のユニバーシアード候補メンバーに加えられないことを本当に残念がっていた。その神川監督が「米本みたいだった」とF東京の主力MF米本拓司の名を出して讃えるほどのプレーを見せたのが、順天堂大MF内山秀輝(4年=昌平高)だった。

 順大入学後、内山が昨年までリーグ戦でプレーした時間はわずか1試合4分間だけ。今年の開幕戦でもベンチ外だった。それが前節の流通経済大戦で先発デビューして3-1での勝利に貢献すると、同じく先発出場したこの日も「自分は上手い選手じゃない。自分はチームのために走って潰すということをやるだけだと思っている。それがチームのためになればいいし、それで失点が減らすことが自分の役割だと思っている」と中盤を走り回ると、ロングボールのこぼれ球を90分間拾い続けて早稲田大得意の分厚い2次・3次攻撃をさせなかった。

 順大・吉村雅文監督は「マジメに3年間、いろいろなポジションをやりながら、本当に頑張ってきた選手。(技術はまだまだだが)潰し屋としてやってくれた」。ここまでの3年間は出場機会を求めてCBやSB、FWにも挑戦してきたが、同時に周囲の選手のプレーを研究。自分のプレーの幅を広げ、そして「自分は走ることしかない。自分はチーム一走るんで、それをやっていくしかない」と自慢の走力を磨いてきた。

 この日は抜群の走力に加えて球際でも泥臭く、ひたむきに戦い、相手の攻撃を乱して無失点に貢献。現在2勝1分と好調・順大を今後も支える存在になりそうだ。「今年のチーム的にはあまり点を取れるチームではない。でも後ろがしっかりゼロで抑えることができていければチャンスは出てくる。(自身は)2試合出してもらって2試合両方悪くない結果だったと思いますけれど、チームが勝ったり、チームがいい方向へ向かっていけばいいと思います」。

 欲を出すことなく、ようやく掴み取った活躍の場を楽しむつもりでいる。「ボクはこの大学サッカーで(本格的なサッカーは)辞めるので、悔いなく、楽しくやれればいいと思います」。今できることに全力を尽くしてチームに貢献し、個人としても残り1年間を切った引退の時まで成長し続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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