beacon

[MOM1012]正智深谷MF諸岡裕人(3年)_「四方八方動いて」敵を撃退

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
 [4.19 関東大会埼玉県予選準々決勝 成徳深谷 0-3 正智深谷 西武台高第2G]

 昨年全国高校総体4強の正智深谷高・小島時和監督が「アイツが四方八方に動いて守備してくれるのは大きい。ひとりで守ってしまう」と貢献度を認める存在。全国総体でも2年生ながらレギュラーのボランチとして全国4強進出に貢献しているMF諸岡裕人主将(3年)の運動量が、この日も非常に光っていた。ボールサイドに現れては厳しいチェックで相手の攻撃の芽を潰し、PAでは相手アタッカーの前に身体をすべり込ませて決定的なシュートを打たせない。そして攻撃に入ると、最前線まで飛び出して相手DF陣を乱そうとする。ボールのあるところには必ずいると言っていいほどの運動量で走り回っていたが、本人はまだ満足していない様子。「運動量をもっと意識していろいろなところでプレーできるようにしたい」と誓っていた。

 得意の守備の部分は全国舞台でも通用したと感じている。全国の強豪相手に5試合中3試合で無失点。「ミスをしてくれない。中盤は追っても取れる気がしなかった」と苦笑いしたものの、優勝した市立船橋高相手にも決定的なパスを出させないようにコースを切りながら守り、70分間を無失点で終えた(PK戦で惜敗)。「(全国でも)やれる部分もあるなと感じました。ただ出ていることで精いっぱいだった。テンパっていたところがあって、ボールを受けて冷静に捌くことだったりができていなかった」。最も意識している守備で役割を全うすることが第一だが、関東大会などでより経験を積んで今年はより攻撃面でも存在感を示していくつもりだ。

 この日は豊富な運動量と相手に得点を許さない守りで勝利に大きく貢献したが、自分のところでボールを落ち着かせて攻めようとしすぎた面があった。相手を剥がしてギャップへのパスを入れるなどチャンスにつなげていた一方、相手に狙われてパスを出した後など結果的にボールを失い、流れを渡してしまう時間帯も。「自分のところを狙われていると言われていたのに持ちすぎてしまった。反省しなければいけない。まだまだチームがつらい時にもっとボールを落ち着かせたりしなければいけないし、もっと周りを見て冷静にプレーできるようにやっていきたいです」と気を引き締める。そして「決定的な仕事はしていない。もっとできるようにしていきたい」と力を込めた。

「個人的には関東、インターハイ、選手権しっかりと(予選を突破して)出て、そこで結果を残したいと思ってます。個人としてもチームとしても結果を残して成長したいと思っています」。昨年の全国4強で得た自信と経験はやはり大きい。それをチームメートや後輩たちに経験させるためにも諸岡は「四方八方」に走り回って、チームに白星をもたらす。
 
(取材・文 吉田太郎)

TOP