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[特別インタビュー]横浜FM齋藤「日の丸を背負い続ける」

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 昨年7月の東アジア杯で日本代表に初招集された横浜F・マリノスのMF齋藤学は、オーストラリア戦で代表初ゴールを挙げるなど大会初制覇に貢献した。強烈なインパクトを残したスピードスターは、海外組が加わったフルメンバーでもコンスタントに招集されており、ブラジル行きのチケットは手の届く場所にある。W杯イヤーを迎え、代表への意識は確かに強くなってきていると話しながらも、本人はまずしなければならないことがあると強調した。

――W杯イヤーとなったことで、ブラジルへの思いはより強くなっていると思います。
「たしかにW杯イヤーになりましたが、まずはF・マリノスでどれだけできるかが大事だと思っています。新しい選手が入ったことのプラスアルファで、チームがどれだけ上に行けるかをすごく考えながらやっています。日本代表に選ばれたら選ばれたで意識も変わりますが、それまでの僕の所属はF・マリノスです。やっぱりF・マリノスでどれだけ自分ができるのかを一番に示して、示した上で代表に選ばれたいですね」

――まずはF・マリノスで結果を残すのが大事ということですね。
「もっともっとF・マリノスで頑張らないといけない気持ちが強いです。仮に海外組ならコンスタントに点を取っていればアピールにつながるかもしれませんが、Jリーグでは自分のチームを勝たせることが大事だと思っています。もちろん自分が点を取って勝つのが一番ですが、まずはチームを勝たせないといけない。アピールの仕方は違うと思いますが、そこにやりがいを感じていますし、W杯のメンバー発表までに自分がアピールできることはF・マリノスを勝たせることだと思っています」

――昨季も代表よりF・マリノスの優勝が優先と話していました。
「それは語弊があるのですが、昨年11月のベルギー遠征に帯同できなかったのは名古屋戦のあとに足の状態が悪くなってしまったからで、あのまま無理をしたら足がつぶれてしまうと思ったので、辞退しました。先ほども話したように、自分はF・マリノスで活躍したあとに代表があると思っていますし、それはこれからも変わらない考えです。どちらかを優先するということではありません」

――W杯メンバー発表前最後の国際Aマッチとなった3月5日のニュージーランド戦は後半34分からの出場となりました。
「これまで海外組が加わった試合では、ガーナ戦(13年9月10日)で後半40分から出場しただけでした。やっぱり試合に出ることで取れるコミュニケーションがあるので、10分程度でしたが、ニュージーランド戦で試合に出られたのは自分にとっても大きな意味があると思います。決して満足のいくプレーではなかったですが、自分の良さを少しは出せたかなという思いもあります。ただ、結果が出せなかったことはすごく残念でした」

――ハーフウェーライン付近からドリブルを仕掛ける場面もありました。フィニッシュまで持っていくかと思いましたが。
「僕もあそこで無理をして行くのもありかなと思いましたが、マイボールの時間をもう少し増やしたほうがいいと判断しました。今振り返っても、その判断は間違っていなかったと思っています」

――試合の状況、チームメイトや相手選手のポジショニングを見ての判断だったというわけですね。
「もっと前でボールを受けて、相手の人数も少なければ、そのまま行ったかもしれません。ですが、あのときは相手がボールを持って押し込んできていて、後ろでつないでいる時間帯でした。もう少し前でボールをつなぐには、僕が無理をして突っ込むよりも全体が上がる時間をつくったほうがいいと思いましたし、先発しているチームメイトの状況、試合内容や流れをイメージしたら行かないのがベストだったと思います」

――ベンチにいるとき、試合展開をどう感じていましたか?
「ウォーミングアップに入ってからはちゃんと試合を見れませんでしたが、前半20分までに4点取ってから1点返されていたので、自分が入るときは難しい状況だろうなと感じていました。ただ、その中でも、自分がどこで使われて、そこで使われたときに自分の良さをどう出していこうかというのは考えていました」

――短い時間の中でもチームメイトとの連係からチャンスになるシーンもありました。
「僕が出たときは残り10分ぐらいで、相手も疲れている状態でした。その中でなら、ある程度の連係は取れると思います。もっと厳しい状況で試合に出て、一緒にプレーすることで見えてくるものもあります。次の練習のときに『もっとこうしたほうがいい』『あの場面はああしたほうがいい』と話し合えると思うので、まだまだだと思っています」

――F・マリノスと同じポジションでのプレーとなりましたが、役割の違いは感じましたか?
「求められることは、選手が違えば変わってくるので、一概には言えませんが、違いを感じるのは当然と言えば当然かもしれません。ただ、守備の切り替えの早さを求められていると思いましたし、僕の特長は仕掛けることなので、その部分は出そうとしていました」

――先発で試合に出ているF・マリノスとは状況が違い、試合途中からの出場となりました。難しさはありましたか?
「途中から試合に出る選手の役割は、試合の流れを変えることだと思います。ガーナ戦もそうでしたが、僕は最後の交代枠で出場しているので、そこは意識しました。ただ、流れを変えるには、仕掛けるスピードをもっと高めていかないといけませんし、その速度を追求しないと、試合の流れもなかなか変えられないと思っています」

――世代別代表でも日の丸を背負って世界大会に出てきましたが、日の丸を背負う意義や重みを、どう捉えていますか?
「フル代表になるとちょっと違う感じもしますが、今はフル代表に呼ばれ始めたタイミングなので、そう思うだけかもしれませんし、慣れてきたらプレッシャーも小さくなるのかもしれません。フル代表への期待の大きさを感じていますが、周囲の反応に自分が動かされていたら意味がないですよね。ただ、日の丸を背負う重みは感じていますし、小さいころから背負ってきたからこそ、これからも背負い続けたい。そのためには日本でベストなプレイヤーにならないといけないわけですから、そこに向かって自分は前進していくだけですし、もっともっと成長しないと、代表では生き残れないと思います」

――W杯まで残された時間は限られています。残りの期間の使い方は?
「今までと変わりません。僕はF・マリノスで結果を残して、F・マリノスを勝たせるプレーを続けるだけです。自分がゴールを取ったり、アシストするだけでなく、攻撃の起点にもなり、守備もしっかりやる。勝利への貢献の仕方はたくさんありますし、もっとこうしたら良いというプレーは無限にあります。今までしてきたことの中で反省すべき点は反省して、今後につなげられればと思っています。まずはF・マリノスを勝たせる。そこに尽きます」

(取材・文 折戸岳彦)

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