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[MOM1016]成立学園MF守屋怜治(3年)_チーム支えた切り替えの速さとボール奪取力

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.20 関東大会東京予選準々決勝 成立学園高 4-1 石神井高 駒沢第2]

「石神井は取ったボールをカウンターというところが速かったので警戒していた。きょうウチは守屋がだいぶ切り替え速く奪い返してくれたので、カウンターが少なかったと思います」と成立学園高の太田昌宏監督もそのプレーを称賛していた。攻撃型のチームである成立学園において「守備のスペシャリスト」とも言うべきMF守屋怜治(3年)が、健闘・石神井高を退ける大きな力になった。「相手よりも切り替え速くして自分のところで止められれば失点にもならないし、そういうところを自分で意識してやっていました」

 エースのMF上田悠起(3年)も「自主練で常に一番最後までやっている仲。帰る時間を過ぎて一緒に監督に怒られたりする。(守屋は)自分の分もディフェンスをやってくれているし、チームのために大きい存在。きょうも切り替え速かったし、助かっています」とその存在の重要性を口にする。本人は「(自己分析すると)自分的には攻撃が全然。あとアイディアがあまりない」と苦笑するが、それでも切り替え速く相手の攻撃の芽を潰し、中盤でボールを奪い取ることもできる守屋の価値は大きい。「スペースを開けといてドリブルさせてトラップが大きくなったところを取る」という得意のインターセプトでボールをもぎ取り、少ないタッチで攻撃につなげることで成立学園の攻撃の起点にもなっている。

 ずば抜けた走力を備えている訳ではなく、インターバル走では設定タイムの「ギリギリ前くらい」というが、「素走りするよりもこういうところで走る方が得意」というゲーム体力と勘の良さが自身の武器を支えている。新チームのスタート時は先発ではなかったというが、守備で相手の良さを消すなどアピールし、2月のTリーグ(東京都リーグ)開幕前にはポジションを掴んだ。そして今大会では守備での貢献度の高さと、攻撃面でも運動量多くボールに絡む動きで4強進出に貢献している。

 三菱養和SC巣鴨ジュニアユース時代は左SBであまり試合に絡むことができなかったという。ただ中学最後の大会でボランチで好感触を掴み、以後ボランチを本職としている。ユースチームに昇格することはできなかったが、総体出場、選手権での日本一獲得という目標をもって高校サッカー思いをぶつけている。「まだ全然自分的にはできていない。練習が全部試合に出るので、次の試合でもっといいプレーができたらいいと思います」。「One Heart」というテーマを掲げるチームの中で少しでも成長し、自分のできる守備の良さを最大限に発揮して勝利に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)

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