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[慶スポ]王者を相手に納得の勝ち点1を獲得 専大戦

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[慶應スポーツ ゲキサカ版]
[4.20 関東1部・リーグ第4節 慶應義塾大2-2専大 味の素フィールド西が丘]

 昨季の王者である専大を相手に、互いの意地をぶつけ合い、勝ち点1を分け合う「好ゲーム」(須田芳正監督)となった。開幕から3戦全勝で13ゴールを挙げている専大に対し、慶大も前節の中大戦は2-1で勝利と、互いに好調を維持したまま迎えた一戦。前半は拮抗した状態が続くが、後半7分にセットプレーから先制点を奪われる。しかし、わずか3分後に増田湧介(4年=清水東高)のゴールで、早々と試合を振り出しに戻す。その直後に再びリードを許したものの、山本哲平(2年=國學院久我山高)が終了間際に今季初ゴールを挙げ、執念で引き分けに持ち込んだ。

 慶大は前節と同様、端山豪(3年=東京Vユース)に代わって浅間翔大(4年=暁星高)を中盤に配置。先にチャンスをつかんだのは慶大だった。前半14分、溝渕雄志(2年=流通経済大柏高)のクリアボールを加瀬澤力(2年=清水東高)が拾い、宮地元貴(2年=東京Vユース)に展開する。宮地は一気にサイドを駆け上がり、加瀬澤にボールを預けると、その加瀬澤がシュートを放つ。得点には至らなかったが、今年のテーマである「堅守速攻」を早くも体現した。その後は両チーム共にチャンスを活かせず、前半をスコアレスで終える。

 前半の長い沈黙を破り、試合が動いたのは後半立ち上がりの7分。専大にFKを献上すると、慶大の選手に当たったボールを山川翔也(3年=新潟西高)に頭で押し込まれ、先制点を許す。だが、慶大も黙っていない。そのわずか3分後、溝渕からパスを受けた加瀬澤がシュートを打つ。これがペナルティエリア内の増田に当たってゴール右隅に吸い込まれる。しかし、同点に追い付いたのも束の間、深澤知也(1年=横浜FMユース)に空いたスペースを突かれて失点。再び1点を追いかけることになった慶大は、「ラスト15分で勝負をかけよう」(須田芳正監督)とパワープレーで反撃に臨むも、専大の強固な守備網を崩せない。このまま試合終了かと思われたが、アディショナルタイムにドラマが待っていた。途中投入された山本が左サイドから中に仕掛け、豪快に右足を振り抜く。ボールはサイドネットに突き刺さり、慶大のスタンドは歓喜の渦に包まれた。土壇場で2-2の同点に追い付き、開幕から続く専大の連勝を見事に止めた。

 今節の結果により、リーグの順位は6位に転落した。しかし、強力な攻撃陣をそろえた専大を相手に、勝ち点を得られたことは選手たちの自信につながったに違いない。次節は、今季で未だ勝ちのない筑波大が相手だ。連戦を終えた荒鷲たちは、「最高の準備をして」(小坂慎太朗・2年=浦和ユース)、次の戦いに備える。


試合後の監督・選手のコメント

●須田芳正監督
―今日の試合で手応えは
「あのゲーム展開からすれば2-2で終わらせていいと思います」

―守備面はしっかりできていたと思うが
「まずは我々は守備からということで今年は始めたので、そこはみんな集中してやれていました。ですがやっぱり、特に2点目は、深澤(専大)が絶対(抑えなければならない相手)だと言っていたのに、スペースを空けてしまっていました。そこの確認が甘かったですし、課題点ですね。攻めている時にどれだけ準備できているかということを言っていたが、結局彼(深澤)に入れられてしまいました」

―攻撃面に関して、カウンターも光った面があったが
「決定的な場面を何回か作れていたので、しっかり守って我々はできるだけ早い攻撃という「堅守速攻」をテーマにやっているので、そこはもっと質を上げたいと思います」

―交代の意図やタイミングは
「とにかくラストの15分が勝負どころだと思っていたので、それまでは失点しないで1-2で、最後に勝負をかけようと考えていました。まず最初に、浅間は守備的な選手でバランスが良かったんですけど、バランスを崩しても攻撃に出ようと思って中盤を代えました。山本は本来トップの選手ですけど、右サイドまたはトップ下のような形にしました。前の選手が競ったこぼれ球を拾って、さらにサイドバックを上げることで厚みをつけた攻撃をしようとしました。最後は、パワープレーで背の高い選手を入れました」

―2失点してからの展開は
「最後まで強い気持ちを持ってやりましょうということを伝えて、選手たちは集中を切らさずにやってくれました。それが結果的に2点目につながって、追いついて価値ある勝ち点1を取れたので、本当によくやってくれたと思います」

―端山がいない中で1勝1分だが
「端山がいないからチーム力が下がるのでは、リーグ戦は戦えないです。彼は2、3月は全日本選手権の方に行っていて、その中で他の残った選手たちが強い気持ちを持ってトレーニングをしてきたので、確かに彼の攻撃的なセンスは出せないですけど、代わりに中盤のところはしっかり守りを固めるという形で、浅間は堅実にやってくれたと思います」

―慶大の2点目について
「みんなが最後まで諦めずに点を取りにいこうという気持ちが伝わりました。最後のところは山本の、型にはまったときの技術が発揮されたので、良い形でゴールに繋がったと思います」

―中3日だったが
「それは互いに一緒ですし、気持ちの面で絶対負けないということは話していたので、集中を切らさずに最後まで戦って、好ゲームができたと思います」

―次節に向けて
「今度は1週間空くので、まず試合に出た選手はゆっくり休んで回復させます。それから、連戦の中でも課題点がいくつか見つかったので、それらを3、4日間の練習で修正して、次の1戦も謙虚な気持ちを持って戦いたいと思います」


増田湧介(4年=清水東高)主将

―前半はチャンスが作れていたが
「僕らとしては、相手に攻めさせて北爪健吾(4年=前橋育英高)や小口大貴(2年=川崎U-18)の両サイドバックが上がったスペースを突こうという狙いがあったので、プラン通りにできました」

―昨季の王者のチームに挑むということで、どのようなことを意識したか
「しっかり専大を分析した上で、どういう守備をしたら相手が攻めづらいとか、どこを突いたら相手が嫌ということは、チームとして(意識して)やっていました」

―後半で仕掛けていこうと切り替えたように見えたが
「でも、前半とやり方はあまり変えずにやりました。リードを許していたので、最後の10分は前に高い選手を置いて、勢いを持ってプレスを掛けにいきました。(1点目は)ラッキーでしたけど、自分たちが狙っていたゴールだったので良かったと思います」

―専大から勝ち点1を取ったが
「勝ち点1を取れたことは大きかったですけど、自分たちもたくさんチャンスがありましたし、引き分けよりも勝ちを狙っていたので、悔しさはあります」

―次回に向けて
「専大と引き分けたことで、一人一人自信につながる部分はもちろんあったと思います。ただ、その中でも課題や改善点はたくさん見つかったと思うので、現状に満足せずに、常にチームとして上を目指していけたらと思います」

(取材・文 慶應スポーツ 池田麻里子)


[次節試合予定]

第5節 4月27日 筑波大戦 (11:30@味の素スタジアム西競技場)

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