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左足から2アシストも力負け…浦和MF柏木「周ちゃんに申し訳ない」

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[4.26 J1第9節 柏3-2浦和 柏]

 立ち上がりから浦和レッズが入れるグラウンダーの楔のボールは、柏の3バックに狙いをしぼられた。ともに3-4-2-1の布陣を敷き、“ミラーゲーム”を強いられた中で柏の3バックは、浦和の1トップ2シャドーに自由を与えなかった。

 立ち上がりからリズムをつくれない時間が続いたが、2人の高い個人技から浦和が先制に成功する。司令塔のMF柏木陽介が出した30m超の浮き球は、柏DFの裏に抜けたMF原口元気の足元にピタリと合う。トラップは流れてしまいDFを背負うことになってしまったが、原口は振り向きざまに右足を振り抜き、ネットを揺らした。柏木は自身のアシストに手応えを感じていた。

「元気の動きがよかった。ファーストタッチをミスったと思うけど、そこからはあいつの技術。俺のパスももうちょっと中でもよかったかなと思うけど、悪くなかった。俺がボールを持ったときにみんなが動き出してくれるので、今日はいい判断ができたと思う」

 後半に試合をひっくり返されてからの同点アシストも柏木だった。30分に右CKを得ると、柏木の左足から放たれたボールは、ニアサイドに飛び込んだMF阿部勇樹の頭へ。「阿部ちゃんがいい所に入ってきてくれた。信じてボールを蹴るだけ」。今季セットプレーからの失点がなかった柏から、ゴールを奪った。「連戦の中でセットプレーの重要性は感じている。ああいう状態でそのまま終わってしまうことが多い中で、追いつけたことはよかったと思う」。2点目のアシストも決めた柏木は、同点に追いついた試合展開までは評価していた。

 勝ち越しの3点目を狙う浦和だったが、柏の守備陣をこじあけれない。「最後みんなの勝ちたいという気持ちが強くなりすぎた分、中、中、中になってしまった」と柏木が言うように、中央を締めていた柏の壁は厚かった。最終的に中央でのパスをカットされてカウンターを許すと、FW田中順也に決勝点を献上。「こっちもチャンスあったけど、周ちゃん(西川周作)が止めてくれていた分、すごく申し訳ない。今度は助けてあげられるように、点をいっぱい取ることがチームとしていい循環になっていく」。前半15分のFW工藤壮人との1対1を含め、柏のシュートを防いでいた守護神をおもんぱかった。

 この試合からGWの連休に絡んだ5連戦が開始した。「同じ日程でやっているわけだから、しんどいのはどのチームも一緒。ACLに出ているチームはより連戦になる。そういうことを言ってられない。ホームでたくさん人が入ってくれる中でしっかりいいプレーを見せて、子どもたちに『浦和レッズっていいな』と思ってもらえるように、しっかりと戦っていけたらいいと思う」。連戦の出ばなをショックな結末でくじかれた格好だが、柏木は次節・横浜FM戦に向けて気持ちを切り替えていた。

(取材・文 奥山典幸)

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