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6戦未勝利に危機感を募らせる俊輔「もっとひたむきに、一人ひとりがやらないと…」

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[4.26 J1第9節 横浜FM0-1F東京 日産ス]

 試合終了のホイッスルが鳴り、横浜F・マリノスのサポーターは選手たちをブーイングで迎えた。FC東京に0-1で敗れたことで、6試合未勝利(2分4敗)となり、そのうち5試合がノーゴールだ。サポーターの不満が募るのも、無理はない。昨シーズンの最終節で優勝を逃し、今季こそというシーズンなのだから、なおさらである。

 悔しさを感じていたのは、選手も同じだ。MF中村俊輔は「向こうの決定機って、あれしかないし。自分のを含めて、決めるところを(決めないと)ね」と、唇を噛んだ。前半7分にFW平山相太のシュートをGK榎本哲也がセーブしたが、そのこぼれ球をMF東慶悟に決められた先制点の場面。そして、後半7分に左サイドからのクロスが流れて来たボールを蹴り損ねた、自身のシュートミスを反省した。

 AFCチャンピオンズリーグの広州恒大戦(0-2)から中3日で迎えた一戦で、横浜FMは3選手を入れ替えて臨んだ。先発したFW藤田祥史、さらに後半開始から出場したDF奈良輪雄太について、中村は「奈良輪の前への推進力は良かった。フジ(藤田)くんも良かったし、そういう選手が大事になってくると思う」と、出場機会の少ない選手たちがチームを活性化させることの重要性に加え、強い危機感を口にした。

「今日はヒョウ(兵藤)がベンチに入っていないし、マチ(中町)は半分で交代している。監督は『ターンオーバー』っていう言葉を使っているけど、こういう状況だからこそ、チーム一丸になってやらないと、下の方の争いに加わってしまうと思う。みんな一回、頭をゼロにして、イチからという気持ちでやらないと。次があるから気持ちを切り替えて、本当にみんな危機感を持ってやれるような雰囲気にしていかなければな…と思います」

 後半に入り、横浜FMは4-2-3-1の布陣を1ボランチの4-4-2に変え、前線に人数を割いて攻めに出た。その結果、終始F東京を押し込み、相手に1本もシュートを打たせていない。だが、2トップにした横浜FMも、前にボールが入る回数こそ増えたが、そこからの打開策が見えにくかった。後半は、どのような攻めの形を思い描いていたのか? そう聞かれた中村は少し考えた後に「それ以前じゃない?」と問い返し、言葉を続けた。

「自分たちは力がないっていうね。もっとひたむきに、一人ひとりがやっていかないとマズイことになると思う。疲れだか何かわからないけど、そんなの言いわけにならないから。ボールに対する執着心とか、そういうのは去年に比べたらないところだし。そういうのは一人ひとりでバッと、アドレナリンっていうか、火を付けられないのであれば、チームの雰囲気を変えるのが自分の役割だと思うし、そうするようにしていきたい」

 この日、ピッチで最多3本のシュートを放ち、流れを変えようと戦った中村。ピッチ外でも彼に依存する部分が大きいようだ。

(取材・文 河合拓)

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