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[MOM301]順天堂大DF谷奥健四郎(4年)_挫折からのV字成長

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.27 関東大学リーグ1部第5節 明治大 0-0 順天堂大 味スタ西]

 5試合を終えて、2勝1分2敗の明治大に対し、順天堂大は3勝2分の2位と好スタートを切った。その要因は何と言っても3度の無失点試合を演じている守備陣の奮闘だ。吉村雅文監督も「チームのコンセプトである守備の部分はそこそこ理解している」と評価した。

 堅守を引っ張っているのは、DF谷奥健四郎(四日市中央工)だ。4枚のDFラインで唯一の4年生。「もっと絶対的なDFのリーダーにならないといけないなと思っている。新井(一耀=3年、清水商高)であったり、宮本(和輝=3年、横浜FMユース)であったり、吉永(哲也=3年、千葉U-18)であったり、後輩がDFラインに3枚いる中で、もっともっとリードしていけたら彼らも成長すると思う」と自覚も強い。ただその思いに辿りつくまで、回り道をしてしまっていた。

 1年生からレギュラーとして試合に出続けていた谷奥だが、3年生になって臨んだ昨季は突如、出場機会を失うことになった。理由について吉村監督は「去年は干した。学習しろということで。自分のことしか考えていなかった」と説明。「お前のプレーなんかどうでもいい。チームのことを考えろ」と突き離したからだった。

 高校時代から順風満帆のサッカー生活を送ってきた谷奥にとって、初めてといっていい挫折だった。「自分としても(調子が)あまり良くなかったというのもあるんですけど」と、今でも歯切れは悪いが、「チームより自分というところがあったと思います」と認める。そして今では「あの1年があったから今があるのかなと思います」と振り返るまでに回復している。

 地元三重県志摩市の中学校で教育実習を行うなど、教員免許取得も視野に入れている谷奥だが、卒業後の目標はあくまでもプロになること。ただ今は個人のアピールよりも、チームとしてどれだけ結果を出せるかに主眼を置いている。「僕ら4年生はこのチームの礎になるとよく言っている。このチームのベースになれるような1年間にしたいなと思っています」。挫折からのV字成長。踏み外した階段を再び上り始めた。

(取材・文 児玉幸洋)
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