beacon

[MOM1021]流通経済大柏DF小川諒也(3年)_決勝PKに加え、指揮官賞賛の守り

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.27 高円宮杯プレミアリーグEAST第3節 柏U-18 0-1 流通経済大柏高 日立柏総合グラウンド人工芝]

 運動量ではどこにも負けないと言い切れるほど自信を持つ流通経済大柏高が前線から最終ラインの選手まで足を攣らせるほど、柏U-18に走らされた。その中で抜群のスピードと高さを武器に奮闘したCB小川諒也(3年)は相手のクロス、ラストパスを次々とクリア。運動量が落ちた味方選手たちを把握しながら、相手の猛攻を最終ラインでしっかりとケアしていた。攻められ続け、体力的にも非常に厳しかった一戦だったが「前線がガンガンプレスに行ってくれていたので、CBは体力的にはきつくはなかった」と淡々。そして「第1節も蹴ったので、緊張しなかった」という前半18分の決勝PKも含めて攻守で大きな働きを見せた。

「小川が良く頑張りましたね。小川は絶対に潜在能力がある。もっと伸びますね」と本田裕一郎監督。本人はその攻撃力を発揮することのできる左サイドでのプレーを希望し、実際にパワープレーで前線に上がった時などはアタッカー顔負けのドリブル、シュートを見せるが、現在はCBとしてチームの守りを安定させることを求められている。本職ではないが、昨年からCBの主力として経験を積んできたDFの存在感は抜群。チームは開幕2試合でいずれも2失点し、小川も「締まりがなかった」と振り返るが、「自分らも柏ダービーと言っていた。知り合いも何人かいて絶対に負けたくない相手だった」というこの日の柏U-18戦で小川は目標の無失点勝利をやり遂げた。

「サイドを取られるのは仕方ないとして、その後にニアのコースを消したり、マイナスのコースを消したりしようといっていた。そこは意識していた。みんな凄い自信になったと思います。レイソルは全国でも相当上手いと思う。1-0で勝てたのはデカいと思います」。

 これまで小川はメンタル面が課題とされてきたが、任されているPKキッカーの役割をしっかりとこなし、緊迫する展開の中でも高いレベルのパフォーマンスを続けている。今年のはじめ、「(流経大柏は)簡単には負けちゃいけないし、気迫のない、だらしない試合はできない。最後が悔し涙で終わらないように後悔だけはしないように、全力で練習やって負けたならば仕方ないと思えるような1年間にしたい」と誓っていた小川。逞しくなりつつある注目DFは「集中を切らしてはいけないということでDFライン中心に声をかけ続けていた」と声でチームを引っ張り、耐えきって掴んだこの白星をまた成長につなげる。

(取材・文 吉田太郎)

TOP