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難波が2戦連発の決勝弾!!東京Vは"最後の国立"でラモス岐阜に零封負け

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[5.3 J2第11節 東京V0-1岐阜 国立]

 J2第11節は3日、各地で行われた。4戦勝ちなし(2分2敗)で20位の東京ヴェルディは国立競技場でラモス瑠偉監督が率いる14位FC岐阜と対戦し、0-1で敗れた。FW難波宏明が前半40分に先制点。難波の2戦連続となる決勝点で勝利した岐阜が前節・群馬戦(1-0)に続いての完封で今季2度目の連勝を飾った。

 2020年に控える東京五輪のため、国立競技場は2014年7月から建て替え工事に入る。これまで、Jクラブで最多となる101試合を国立競技場で戦ってきた東京Vにとって、今節は現在の"聖地・国立"でのラストマッチとなった。奇しくも対戦相手は東京Vのレジェンドでもあるラモス監督が率いる岐阜。しかし、今回行われたメモリアルマッチを勝利で飾ることはできずに、5戦勝ちなし(2分3敗)。加えて3戦無得点と苦しい流れを断ち切れなかった。

 東京Vは前節・札幌戦(0-0)から先発を2人変更。MF吉野恭平が中盤で3戦ぶりに先発に復帰し、DF森勇介の代わりに、右SBでは安西幸輝がスタートに名を連ねた。一方の岐阜は前節・群馬戦(1-0)から3選手を変更。左SB三都主アレサンドロ、ボランチでは宮沢正史、2トップの一角ではFWナザリトが先発に復帰した。

 立ち上がり、先にチャンスをつくったのは東京Vだった。前半2分、FW常盤聡のパスを左サイドで受けたMF鈴木惇がグラウンダーのシュートを狙う。これはGK川口能活に止められた。その後も左サイドからは鈴木、右サイドからはMF中後雅喜がクロスを狙うが味方にはつながらない。

 前半17分にはDF安在和樹が自らの左CKからの跳ね返りを拾い、素早くクロス。中央のFW平本一樹がヘディングシュートを打つも、決めきれなかった。同30分には敵陣左サイドでボールを受けた安在が中央へ絶妙なスルーパス。走り込んだ平本がワントラップから左足シュートを打つも、DFがスライディングでカットした。最後の場面で決めきれず、ゴールが奪えない。

 対する岐阜は高さあるナザリトを的に縦へボールを供給する。抜群のフィジカルを活かしたナザリトが力強く東京Vゴールへ襲いかかった。前半23分には敵陣中央でボールを奪ったナザリトが自らドリブルで仕掛け、PA内へ切れ込む。しかし、吉野に身体を張って止められた。その後も左サイドからのセットプレー、三都主を起点にゴールを目指す。しかし、肝心のシュートで終われずに時間は過ぎる。

 すると、前半40分にようやく試合は動いた。東京Vがカウンターからチャンスを演出。MF田村直也のスルーパスに抜け出した安西が滑り込みながらシュートを放つ。決定的な場面だったが、オフサイドの判定。得点にはならなかった。

 それでも岐阜は、ピンチを一転してチャンスに変える。右サイドから攻め込むと、ドリブルで駆け上がったMF太田圭輔がPA右でGK佐藤優也をかわし、体勢を崩しながらもゴールライン際から右クロス。ファーサイドに詰めていたFW難波宏明が安在に競り勝ち、ヘディングシュートを叩き込んだ。難波の2戦連続となる今季5点目で岐阜が先制に成功。ゴールを決めた難波はベンチ前でラモス監督と抱き合って喜んだ。そのまま1-0で前半を折り返した。

 後半開始とともに東京Vベンチが動く。安西に代わって、DF森勇介を投入。開始直後にセットプレーでチャンスを迎えた東京Vだったが、シュート精度を欠き、得点は奪えず。一方の岐阜は、後半1分にビッグチャンス。三都主の右CKからゴール正面のナザリトがヘディングシュートを打つも、クロスバーを叩いた。

 その後はこう着状態が続き、互いに交代カードを切る。後半17分、岐阜は宮沢に代わって、MF水野泰輔を投入。同20分にはDF関田寛士に代えて、中村英之をピッチへ送った。対する東京Vは、同20分に吉野に代わり、MF前田直輝を入れた。今季、チーム内最多の3得点を挙げている前田が途中出場で果敢に仕掛ける。

 後半29分には岐阜が決定機。PAわずかに手前左でFKを獲得する。三都主の蹴り込んだボールは壁に当たるも、こぼれを拾ったナザリトが強い弾道のシュート。これは枠を外れた。岐阜が1点のリードを守ったまま、1-0で時間は過ぎていった。

 流れを変えたい東京Vは後半34分に、最後の交代カードを切る。中後に代わって、43歳のMF永井秀樹を投入。大舞台で国立競技場のピッチを幾度となく踏んできたベテランMFが出場した。しかし、スコアは動かない。逃げ切りたい岐阜は後半終了間際の41分にナザリトに代わって、FW遠藤純輝を入れた。そのまま試合は終了。ラモス監督率いる岐阜が東京Vを1-0で下し、2戦連続の完封で連勝を果たした。

(取材・文 片岡涼)

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