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[MOM1024]阪南大高GK日高康平(3年)_阪南大練習で成長加速の守護神が強豪を完封

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.3 高円宮杯プリンスリーグ関西第5節 阪南大高 2-0 大阪桐蔭高 関西大一高高槻キャンパスサッカーG]

 阪南大高は関西屈指の攻撃力を誇る大阪桐蔭高の攻撃をシャットアウト。濱田豪監督が「背後へのボールを良くケアしていた」と目を細めた180cmGK日高康平(3年)の存在が大きかった。スルーパスを通されたシーンもあったが、日高は出足良く飛び出し、距離を詰めてシュートを打たせない。また後半終了間際に枠を捉えたミドルシュートを反応良くはじき出したほか、サイドからのラストパスにも相手より先に触わるなど決定的なシュートを打たせず。加えてDFを上手く動かし、ミドルレンジからでも簡単にシュートを打たせなかったことも大きかった。

 日高は「打たれてもおかしくない位置でも桐蔭の選手は顔が上がっていなかったので、そこまでシュートが飛んでくるという意識はなかった。それよりもDFラインを動かしてどこで取るか考えていました。(前節の)洛北戦とかはミスが目立った。一週間背後のボールは意識していた。自分の中でもやれたと思います」と納得の表情。冷静に相手の動きを分析して守った守護神が、集中力を切らさずに相手の攻撃を跳ね返したDF陣とともに勝利の立て役者となった。

 日高は現在、水曜日の午後、木曜日の朝練習、そして金曜日の午後と週3回、系列校であり、大学屈指の強豪でもある阪南大のGKトレーニングに参加している。高校のGKコーチが転勤したことも理由だが、高いレベルでのトレーニングによって成長の速度を高めている。「ハイボールやクロスへの出方、足の運びまで細かく、丁寧に教えてもらっている。また大学生のトップチームの人と練習をやっていて、シュートのスピードが違う。高校に戻ってきたときに良くボールが見えたりしている」と好影響を口にする。

 日高は2年生だった昨年も正守護神としてプリンスリーグ関西2部の開幕を迎えていたが、3節を終えた後の練習中に左手甲を骨折。3か月間離脱した後に復帰したが、その後ポジションを奪い返すことができなかった。本人は公式戦の経験不足を不安に感じていたが、高いレベルでのトレーニングで自信を掴み、今年のプリンスリーグ関西開幕5連勝に貢献している。昨年は悔しい1年間だったが、今年は「サッカーを楽しんでいるし、大学でもやりたいと思っている」と充実した日々を送っている。

 マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)の守護神としても活躍した元デンマーク代表GKピーター・シュマイケルが憧れの存在だ。「ずっと憧れてプレーを見ている。裏へのケアと反射神経、1対1のケアが素晴らしい」。勝負強さも併せ持っていた名手と同じようにチームに勝利をもたらす存在になる。「インターハイでも、アピールしていろいろな人に注目してもらいたい。しっかりと結果を残して選手権につなげたい」と成長中の守護神はさらなる活躍を誓った。

(取材・文 吉田太郎)

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