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ザッケローニ監督独占インタビュー「組織でも、個でも、世界の強豪と渡り合える」

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 2010年の監督就任以来、日本代表を進化させてきたアルベルト・ザッケローニ監督。4年間の集大成となるW杯まで約1か月となった。好評発売中の『2014SAMURAI BLUE サッカー日本代表オフィシャルガイドブック』(講談社)に掲載されている独占インタビューの一部をゲキサカでは特別公開。指揮官がその胸中を赤裸々に明かしている。

「私はとても興奮している。モチベーションはマックスだよ。信頼するチームとともにW杯という舞台に向かえるのだから。この仕事を30年ほどやってきて、あと自分がどれほど(監督業を)やれるかわからないし、こんな機会がまた訪れるかどうかもわからない。私自身、楽しみたいと思っている」

 ブラジルW杯を目前に控え、61歳を迎えたアルベルト・ザッケローニはそう言って表情を緩ませた。少年のように、瞳を輝かせながら。

 スクデット(セリエAリーグ優勝)もUEFAチャンピオンズリーグ出場も記してあるイタリア人指揮官の長い履歴書に、これまで「W杯」の文字はなかった。

 キャリアを積んだ60代以上の代表監督は少なくないが、60歳前後になってW杯デビューする監督となると毎大会、限られてくる。南アフリカW杯ではスペインを優勝に導いたビセンテ・デルボスケやイングランドを率いたファビオ・カペッロらがそうだった。いつもは慎重な言い回しに終始するザッケローニが「モチベーションはマックス」と語るのだから、W杯が特別な存在であることは伝わってくる。

「選手たちが心身ともに健康な状態で、うまく試合に臨むことができるならば、満足のいくプレーが高い確率で発揮できると私は考えている。そうなれば相手も、苦しむのではないか。我々が相手を警戒するのと同様に、相手だって我々を意識するだろうし、警戒もしてくるだろう。大事なことは、怖れることなく、ひるむことなく立ち向かうことだ」

 ちょっとだけのぞいた興奮を、いつもの冷静さが隠してしまう。だがその口調は静かながらも強く、野心に満ちたその目は鋭かった。

―組み合わせ抽選会のコメントで「まずはスタートダッシュを目指す」とありました。初戦のコートジボワール戦がかなり重要になってくるという認識でしょうか?
「グループCはコロンビアが力的に抜けていて、あとの3チームがほぼ同じぐらいのレベルだと私は分析している。同じと言ってもそれぞれ異なった文化、異なったサッカーがあり、単純にどちらが上、下などと比較することはできないが。
 初戦に結果がついてくれば、何より自信が芽生える。2、3戦目を戦っていくうえでもポジティブな要素しかないと思っていて、スタートはやはり大事だ。コンフェデを振り返っても最初のブラジル戦で思い通りのプレーができず、それを引きずってしまった感があった」

―コンフェデの初戦、ブラジル戦は、ほぼ何もできなかったという内容でした。
「入り方は失敗したと言わざるを得ない。それは事実。でも1年前の最終予選の3連戦ではオマーン、ヨルダンに勝って最高の入り方をしたことも忘れてはいけない。相手(のレベル)は違うが、時期は同じ6月。ただ、何が違ったかと言えば、それは準備だ。オマーン戦にはいい準備をして臨めたが、コンフェデの前には予選の最後の試合があって、ブラジルに入ったのも試合の数日前という状況だった。いい準備ができれば、いい入り方ができると考えている」

―初戦がシード国のコロンビアではなく、コートジボワールというのはプラスの要素になるでしょうか?
「いや、W杯ぐらいの大きな大会になると順番というよりも、1試合1試合を集中して戦うことが何よりも肝要になってくる。初戦の相手がコートジボワールだろうが、コロンビアだろうが、そこは関係ない。だが、世間の風潮としてギリシャ戦がイージーなゲームになると、もし思われているとしたら、それは大きな間違いであることも付け加えておきたい。分析してみても個人的にはギリシャ戦が一番難しいと思っている。強豪ひしめく欧州予選を勝ち上がってくるのは価値があり、ギリシャは力があるからこそ厳しい戦いの中を勝ち上がってきたのだ。過小評価をしていいチームなどないということ」

―ブラジル開催ということで「南米勢有利」と見る傾向が強くあります。この点はどう考えていますか?
「確かに南米大陸のチームのほうが有利だと言えるだろう。ブラジル、アルゼンチン、我々が戦うコロンビアあたりも勝ち残っていく可能性は高い。だがその一方でコンフェデではスペイン、イタリアも内容は悪くなかった。ドイツだっていい準備をしてくるだろうし、土壇場でプレーオフを勝ち抜いたフランスだって面白い。そして忘れてはいけないのが、成長著しいベルギーだ。

 成長の度合いで見ていけばこのベルギー、南米ならコロンビアだろう。そしてアジアで言うなら、我々、日本だ。自信を持ってそう言っていいと思う。後は本大会に向けて、引き続き成長していかなければならないということだ。

 私はチームを信頼しているし、チームの力そのものに期待している。フィジカルコンディション、メンタルコンディションさえ整っていれば、組織でも、個でも、世界の強豪と渡り合っていけるという感触は得ている。いろんな選手が出入りしながらチームとしての力を出せているし、あとは残された時間でしっかりと調整していくだけだと思っている」

<商品概要>
■書名:2014SAMURAI BLUE サッカー日本代表オフィシャルガイドブック
■出版社:講談社
■発売日:2014年4月24日
■判型:A4判・128ページ
■価格:1111円(税別)
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