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新境地に挑む町田MF庄司「一皮むける」

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[5.4 J3第10節 町田4-1秋田 町田]

 今までとは違う姿がピッチ上にはあった。FC町田ゼルビアの背番号10を背負う24歳のMF庄司悦大は、専修大4年時の11年度にインカレと関東大学サッカーリーグの二冠を達成、両大会でMVPに輝いた大学サッカー界を代表するボランチだった。中盤の底から正確なパスを送り、攻撃にリズムを生み出すプレーメーカーは今、自分の殻を破ろうとしている。

 現在も庄司のポジションはボランチだが、与えられている役割が違う。頻繁に前線まで顔を出したかと思うと、相手最終ラインの裏へ抜ける動きを繰り返す。よりゴールに近い位置でのプレーを求められていた。「大学のときはもっと後ろでボールに触って攻撃を組み立てていましたが、今はもっと前でのプレーを求められています。FWの近くでプレーして、得点に絡まないといけません」。

 今季から本格的にプレーする位置を変えているため、「ここまで前の位置でプレーした経験がなかったので、まだ慣れない部分もあります」と苦しみを味わっているが、この状況をポジティブに捉えている。「どうしたら自分自身が成長できるのかを考えながらプレーしています。今は自分が苦手としているプレーかもしれませんが、これを克服できたらプレーヤーとしても一皮むけるはずです。まだ得点もないし、アシストもないけど、そこで評価されると思うので結果を残していきたいですね」。

 ルーキーイヤーの12年には開幕スタメンを飾りながらも徐々に出場機会を減らし、チームもJFL降格を味わった。すると翌年には志願して、背番号を16から10に変更している。「ルーキーのときはもっとやれる自信があって、町田の中心選手になると話していたのに、いざやってみたら中心選手になれないばかりか、試合にも出場できなくて…。自分のふがいなさを感じたし、2年目で挽回したい気持ちが強かったので、自分から背番号10をつけたいと話しました」。覚悟を決めた男はレギュラーに定着し、押しも押されもせぬ町田の中心選手に成長した。

 今は新しい役割に戸惑いも感じているが、立ち止まるわけにはいかない。「降格した責任を感じている」と語る背番号10は、再びJ2の舞台に立つために新境地に挑み、さらなる飛躍を目指す。

(取材・文 折戸岳彦)

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