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敗戦にも切り替える大久保「チャンスはあるから。セレッソより」

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[5.7 ACL決勝トーナメント1回戦第1戦 川崎F2-3FCソウル 等々力]

 明らかな自滅だった。川崎フロンターレは2度のリードを守り切れず、ホームで2-3の逆転負け。先制から2分後の後半6分にDF中澤聡太のミスで同点ゴールを許すと、2-2で迎えた後半アディショナルタイムにも最終ラインでDFジェシがボールを奪われ、決勝点を決められた。

「ミスでやられたので、しょうがないかなと思う。入り方は悪くなかったし、相手がディフェンスを固めてくるのは分かっていた。やられ方が悪かった。ミスが絡んで失点すれば負けるでしょうという試合。向こうはプランどおりだっただろうし、こっちは最後の最後にやられた」

 FW大久保嘉人は悔しさを押し殺し、淡々と試合を振り返った。0-0で折り返した後半4分、左サイドでボールを持った大久保が鋭い切り返しでDFをかわし、左足で上げた鋭いクロスボールにFW小林悠が頭で合わせて先制した。

「自分があのタイミングで欲しい。そのタイミングで(小林)悠をめがけて蹴った」。相手をかわした瞬間に素早くクロス。ゴール前には小林一人しかいなかったが、ピンポイントのボールで先制点をアシストした。

 しかし、すぐさま同点に追いつかれ、大久保自身もなかなかゴール前でチャンスに絡めなかった。下がった位置でボールをキープし、パスをさばくなど組み立て役に奔走。なかなか勝負どころのゴール前に顔を出せなかった。

「去年、(中村)憲剛さんがやっていたところを俺がやっていた。本当は前にいたい。だれかやってほしいなと思いながらやっていた。俺はここじゃないのにって」。昨季は4-2-3-1の1トップを務めていた大久保だが、今季は4-4-2が基本布陣。トップ下にいた中村がボランチの位置に下がったことで、大久保が前線から下がってボールを受けるシーンも多い。

 ホームでの第1戦を落としたことで、14日にソウルで行われる第2戦は勝利が最低条件。2点差以上での勝利なら川崎Fが勝ち上がるが、1-0、2-1ではアウェーゴールの差でソウルが準々決勝進出となる(3-2の場合は延長戦、4-3以上での1点差勝利なら川崎Fの勝ち上がり)。

「チャンスはあるから。セレッソより」。冗談交じりにホームでの第1戦に1-5で敗れた古巣のC大阪を引き合いに出した大久保は「勝たないといけないので、思い切りぶつかるだけ。リーグ戦と違って、もう1試合チャンスがある。切り替えていきたい」と前を向いた。

(取材・文 西山紘平)

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