beacon

[AFCフットサル選手権2014]ミゲル監督が決勝でのGK関口の起用を明言

このエントリーをはてなブックマークに追加

 AFCフットサル選手権2014は10日に決勝を迎える。日本代表は初の連覇を賭けて、過去最多優勝を誇るイラン代表と戦う。クウェート戦でベンチを外れたGK川原永光の状態が気がかりなGKだが、ミゲル・ロドリゴ監督は、「一つ確実なことは、関口が明日の試合に出ます」と、ここまで出場機会のなかった次世代GKの出場を明言。また、カウンターを狙う機会が増えることもあり、スピードが持ち味のFP中村友亮をベンチに入れることも明らかにした。決勝は10日の日本時間21時にキックオフを迎え、NHK-BS1で生中継される。

 以下、前日練習後の監督インタビュー
ミゲル・ロドリゴ監督
―今日、急きょ練習をやることにしたのは?
「急きょというわけではありませんよ。今までの大会でも、相手に対してはスカウティングビデオだけでなく、実際にピッチで動きの確認もしてきました。今大会は、ここまでその必要はなかったのでやりませんでした。見て知っている相手でしたし、確認して思い出す相手だったので。今回は普通にやっています。前回大会でも決勝戦の前にやりました。普通にやっています」

―とても細かく確認していましたね。
「実際には分かっていることかもしれませんが、ディテールが拾えるかどうかが、ゲームのポイントになるかもしれないので、細かいところをさらうようにしています。相手の持ち味であるプレッシングをどう回避するか。特別に新しいことを使ってというわけではありませんが、思い出させる感じですね。あとは個性のある相手選手に対しての守備面での対応の話は多少ありました」

―ポイントの一つにコンディションがあると思います。GK川原選手の状態は?
「股関節が不調と言うことで、僕らがというより、本人も不安要素に感じていたので、急きょでもあったので、クウェート戦は外しました」

―決勝では経験値を考えても、ベンチに入れておきたいのでは?
「明日の朝、起きた感じで決めたいと思います。前半か、後半か、前半後半かわかりませんが、一つ確実なのは、関口は出場します」

―え? 今まで出番が一度もなかったですよね?
「韓国でやった大会でも、GK清家大葵を決勝の後半だけ出場させています。スペイン遠征でGK藤原が出たのも、インテル戦の後半です。それだけGKの3人は信頼していますし、特に関口はずっと一貫してきている信頼性があります。この先を担っていくGKだという確信は揺るがないですからね」

―今大会ここまで使わなかった理由はあるのですか?
「単純に名古屋合宿でどっちかといえば、藤原の方が調子が良かったからです。最初はベテランの経験値と総合力であの舞台を踏んで落ち着きを与えてくれるGK川原。その後は調子の良い選手、コンディションが良いということで基準を変えて、GK藤原を起用してきました。とはいえ、関口も悪いわけではありません。イランとの対戦も経験していますし、ミスは犯さないと思っています」

―初戦で大差が付いたときとかに起用するのかなと思ったんです。
「逆です。もちろん、ここまで苦しんできましたが、見据えているのは2016年です。経験を積んで先を見据えている。おそらく、その表情から納得はしてもらえてないでしょうが、私とコーチの間では、すんなり決まりました。グランプリ、スペイン遠征とずっと見ていれば、『なるほど』と思ってもらえると思います」

―本人にも伝えているのでしょうか?
「伝えてあります。準決勝が終わった瞬間に。どのタイミングかはわからないが、と」

―これは、いつもの予感のようなものですか?
「それもありますし、技術的にもスローは3人の中で一番うまいですし、プレス回避に必要かなというのもあります。それは現実的な部分と合わせてです」

―イランについてウズベキスタン戦を見ての印象を?
「すごく調子が良いなという印象です。逆にネガティブなシチュエーションを想定していないので、そこがつけ入るスキかなと思っています。15番、6番はゲームを変える力がある選手で、世界でもトップ10に入る個人の力を持った選手です。成功裏に終えるとすれば、彼らを封じ込めることがカギになると思います。すごく良いシュートを持っています。そうはいっても、うちは失点に関しては1点少ないのです。DF力では、簡単にはやらせないと思います。ベストの攻撃と、ベストの守備の対決ですね。ただ、いちフットサル愛好家としては、彼らのプレーは非常に楽しいです。すごくタレントのある選手たちがそろっていますし、パワーもあって、大きいです。イランの歴史を見ても、今回が黄金世代といえるでしょう。アジアのフットサルのレベルが上がっている中でも、これだけの力を見せて支配しているわけですからね。今までは1、2チームが歯向かってくるくらいの感じでしたが、今は多くのチームが力を付けてきました。でも、イランはその上を行っていますからね。ヘスス・カンデラス監督が就任した意義は大きいと思いますよ」

―ミゲル監督も、恩師のカンデラス氏との対戦は楽しみなのでは?
「そうですね。私が指導者ライセンスの取得講習会で教わった方です。ただ、その直接のかかわりよりもスペインフットサル界を、あそこまで引き上げた立役者でもあります。そういう目でみんなが見ていましたからね。私が駆け出しのころは、いろいろなことを教えてもらいました。すごく馬が合うというか、良くしてもらいました。彼の本名は『ヘスス・カンデラス・ロドリゴ』と、2人とも『ロドリゴ』という共通点もありますしね。すごく敬愛の念がありますし、感覚も合うんですよ」

―イランのような相手には、裏を取る中村選手のようなプレーヤーが有効では?
「その点では、2人の意見が一致しましたね。明日は出てもらうと思います」

―試合を楽しみにしています。
「頑張ります!!」

(取材・文 河合拓)

TOP