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5万4千超え埼スタ決戦、ルーキー関根の一撃が浦和を勝利に導く!!

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[5.17 J1第14節 浦和1-0C大阪 埼スタ]

 J1は17日、第14節を各地で行い、埼玉スタジアムでは4試合負けなしで2位につける浦和レッズが2試合ぶりの勝利を目指す10位セレッソ大阪をホームに迎えた。5万4350人が詰め掛けた注目の一戦は攻める浦和、守るC大阪という構図となったが前半はスコアレスで折り返す。後半に入っても一進一退の攻防が続いたが、同32分に途中出場のMF関根貴大がゴールを奪い浦和が先制。その後はC大阪の反撃を許さずに逃げ切って、1-0の完封勝利を収めた。

 序盤から主導権を握ったのはホームの浦和だった。最終ラインまで下がって組み立て役を担うMF阿部勇樹が左右に散らし、時には急所を突いた縦パスを打ち込んで攻撃にリズムを生み出す。ボールを受けた選手の周囲の選手がすぐさまフォローに入ると、細かいパスワークでC大阪ゴールへと迫った。

 前半4分にMF青木拓矢がファーストシュートを放つと、同9分にはFW興梠慎三のパスからMF梅崎司が狙い、同13分にはオーバーラップしたDF槙野智章のパスを受けたFW原口元気がミドルレンジから強烈なシュートを放つなど、次々とシュートチャンスを作り出す。その後もピッチの幅を広く使い、右サイドから、左サイドから敵陣深くへとボールを運ぶ。得点こそ生まれなかったが、前半は一方的な浦和ペースで試合は進んだ。

 対するC大阪はFWフォルランを1トップに置く5-4-1の守備的なシステムを採用。浦和の1トップ+2シャドーを最終ライン中央の3人が、両アウトサイドは両SBが監視して、浦和攻撃陣から自由を奪おうと試みた。しかし細かいパス回しだけでなく、最終ラインの裏を巧みに使う浦和の攻撃に後手に回り、押し込まれる時間帯が続く。攻撃に移ってもパスミスで浦和にボールを渡してしまう場面が散見。フォルラン、FW柿谷曜一朗、MF南野拓実ら強烈なアタック陣を擁しながらも彼らにボールが渡る場面は限られ、前半のシュートはゼロに終わった。

 後半に入っても流れは変わらず、守備を固めるC大阪を浦和が攻略しようとする。後半3分にはMF柏木陽介が直接FKを狙うが惜しくも枠を外れ、同12分には原口のドリブル突破のこぼれ球を柏木がループシュートで狙ったがシュートはクロスバーに阻まれた。C大阪も時折、鋭いカウンターを発動させるが攻撃に掛ける人数が少なく、シュートまでは持ち込めない。ボールを前に運ぶには柿谷や南野の個人技に頼らざるを得なくなり、浦和守備陣数人に囲まれては何度もつぶされてしまった。

 しかし、徐々に攻撃回数を増やしていくC大阪が後半の中盤から立て続けにチャンスを作り出す。後半21分にはMF酒本憲幸のクロスを受けた南野がゴールを強襲し、同22分にはMF長谷川アーリアジャスールのスルーパスで抜け出したMF丸橋祐介のマイナスのクロスからMF山口蛍がシュートを放つもDFのブロックに遭う。さらに同26分にはカウンターからゴール前まで運んだ南野が強烈なシュートを放ったが、GK西川周作にセーブされ、ネットを揺らすには至らなかった。

 両チームともにゴールを奪えずにスコアレスで迎えた後半32分に、浦和のルーキーが試合を動かす。後半25分にMF梅崎司と交代して投入されたMF関根貴大が右サイドでボールを受けると、柏木とのワンツーで抜け出し、自身プロ初得点となる貴重な先制ゴールを叩き込んだ。さらに同36分にはFW李忠成のパスから抜け出した柏木が決定機を迎えるが、シュートは再びクロスバーに弾かれて追加点とはいかなかった。

 その後も攻撃の手を緩めずに最後まで攻勢をかけた浦和に2点目は生まれず。終盤にはC大阪の猛攻に遭い、何度もゴールを脅かされたが最後まで体を張った守備を見せてしのぎ切り、勝ち点3を獲得した。

(取材・文 折戸岳彦)

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