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[オーシャン杯]決勝のキーマン町田GKイゴール「DFが機能すれば、決勝は良いゲームになる」

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[5.24 オーシャン杯準決勝 町田6-0湘南 小田原]

 初めてオーシャン杯で決勝に勝ち進んだペスカドーラ町田。チームの快進撃を支えているのは、守備力だ。1回戦のバルドラール浦安戦では、5失点を喫した。それでも、流れの中で許したゴールは1失点のみ。続く準々決勝のバサジィ大分戦も1失点に抑えて、準決勝の湘南ベルマーレ戦では、6-0の完封勝利を収めている。

 無失点での勝利について、GKイゴールは「ゼロに抑えられたことは、非常に大きなことです。湘南にチャンスがある場面もありましたが、それに対してDFもしっかり対応できていました。それが一番大きくて、ゴレイロとして、一番後ろでゴールを守りますが、今日の試合で言えば6-0で抑えられたのは、みんながしっかり守備をしたから。僕との連係もしっかりとれていた。この結果ですごく大きな自信が付いたし、チームにとってアドバンテージになる」と、話した。

 昨シーズン、町田はGKイゴールを大阪から獲得し、それに伴い失点数は減った。それでも、まだブラジル人ゴレイロへの依存度が高かったが、今シーズンはよりチームの守備がアグレッシブになった。象徴的なシーンが湘南戦の後半12分だ。パワープレに出た湘南は、数的優位の状況からGKのウェアを着た近藤純也が強烈なシュートを放った。しかし、これをGKイゴールが正面でキャッチ。無人のゴールにパントキックを決めた。

 この場面、GKイゴールが正面でボールをキャッチできたのは、相手のシュートコースを限定できていたからだ。この場面に限らず、ゴールマウス内でGKイゴールが横に動くことが減っている。それだけ、チーム全体の守備力が向上しているということだろう。

「まさにDFが機能していた、象徴的な場面ですね。しっかり守備が中を切っていました。もし、湘南に中にボールを入れるという選択肢があれば、僕はもっと動かなければいけませんでした。でも、中をしっかり切ってくれていたため、相手のシュートコースが限られていました。そういうDFが、今はしっかりできていると思います」

 町田の守備力が本物かは、25日の決勝戦でわかるだろう。町田にとっては初の決勝、イゴールにとっては、大阪時代の11年以来3年ぶりの決勝となる。相手は第1回大会から7大会連続で決勝まで勝ち進んでいる名古屋オーシャンズだ。

「決勝戦は、特別な雰囲気の中でやる試合です。試合が始まる前の状況で言えば、僕は50%50%だと思っています。名古屋は『絶対王者』として君臨していますから、そんなに簡単に勝てるとは思いません。それでも、自分たちが信じてやってきているDFがしっかり機能すれば、良いゲームになると思いますし、必ずしも名古屋が優勝するとは限らないと思っています。最後の最後まで、残り1秒まであきらめずに、全員が集中して走り続けて、DFをしっかり集中できれば、決勝は必ず良いゲームができると思います。僕も、名古屋戦は、いつも楽しみにしているんです。非常に良いシュートが飛んでくる、やり甲斐のあるゲームにいつもなるので、明日も楽しみです」

 悲願の初タイトルまで、あと1勝。町田のキーマンは、決戦が待ちきれない様子だった。
(取材・文 河合拓)

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