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[総体]刈谷振り切った東邦が全国へ前進:愛知

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[5.24 全国高校総体愛知県予選決勝L第1節 東邦高 1-0 刈谷高 名古屋市港]

 平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技(山梨)愛知県予選は24日、決勝リーグの第1戦を行い、東邦高が1-0で刈谷高に勝利した。

「何とか(全国総体に)首の皮が一枚、繋がったけど、内容的には良くなかった」。08年以来6年ぶりとなる全国総体出場に一歩前進した東邦だったが、横井由弦監督からは笑顔が見られなかった。

 立ち上がりにチャンスを作ったのは刈谷だった。守備陣からの丁寧なボール回しから、MF角谷僚亮、FW内藤輝らが個人技で右サイドを仕掛けた。開始直後には内藤が個人技で密集をかわし、中央に送ったパスをMF上野修平が右足ダイレクトで合わせたが、枠を捕えることが出来ない。対する東邦は序盤のピンチを凌ぐと「DFとMFの8人が ブロックを作り、ボールを奪ったら5秒で攻める」(FW鈴木大嗣)という狙い通り、自陣で奪ってから、素早く前線に展開。2トップの鈴木、西村雄生が相手DFの裏へ飛び出し、チャンスを伺う。

 試合が動いたのは前半7分。ハーフウェーライン左でボールを奪ったDF片寄圭人が素早く相手DF裏に浮き球を入れると、「練習からGKとDFが反応しにくいスペースへの飛び出しを徹底していた」という鈴木が素早く反応。PAに持ち込んだ所を倒され、PKを獲得する。キッカーはMF大岡和剛。「仲間が頑張ってPKをとってくれたので、外すわけには行かなかった」という言葉通り、きっちり右下に決めて、先制した。19分にも左サイドでボールを受けた西村がノーステップで逆サイドへと展開。中央に絞って待ち受けたMF澤田奨平がダイレクトシュートを放ったが、惜しくもGKに防がれる。

 良い状態で前半を折り返した東邦だったが、「前半は想定内の戦いが出来ていたけど、後半の真ん中くらいで足が止まり、狙い通りの守備が出来なくなった」(横井監督)、「後半15分以降は走りが無くなっていった」(鈴木)と声を揃えたように、運動量が落ちた事で、刈谷の攻撃陣を掴み切れずに主導権を握られる。刈谷にゴール前まで持ち込まれる場面が増えたが、DF森田浩史を中心とした組織的かつ粘り強い守りでシュートまで持ち込ませない。失点をゼロで切り抜けると、カウンターからチャンスを作り、後半33分に左サイドでボールを持った片寄がPA左に展開。西村が走り込むも、わずかに合わないなど2点目こそ奪えなかったが、最後までゴールを狙い続けた東邦が逃げ切りに成功した。

 決勝リーグ初戦を幸先良く勝利し、全国総体に一歩、前進した東邦だが、横井監督は「全国がかかった大一番だから緊張もあるんだろうけど、前線へのフィードが雑だったり、普段やってないサッカーになってしまった。特に後半に関しては思っていた以上に悪かった。1点を守りきろうという思いが強かったのかな」とこの日の出来に満足していない。残り2戦は昨年の総体代表である中京大中京高、選手権代表の東海学園高と指揮官が格上と目する相手が続く。「全国に行ける2位以内に入ろうと思うと、残り2試合は80分で負けない戦いをしなければならない。今年、10年ぶりに参加しているプリンスリーグ東海の磐田U-18戦でも負けはしたけど、今日よりはチャンスが作れていた。プリンスでやっているように普段通りのプレーや走りが出せれば、可能性がないわけではない」と勝利に浮かれることなく、先を見据えた。

[写真]初戦を勝利し、喜ぶ東邦イレブン

(取材・文 森田将義)
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