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日本vsキプロス 試合後の選手コメント

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[5.27 キリンチャレンジ杯 日本1-0キプロス 埼玉]

 日本代表は27日、埼玉スタジアムでキプロス代表と対戦し、1-0で勝った。前半43分、DF内田篤人のザックジャパン初ゴールで先制すると、追加点は奪えなかったが、そのまま完封勝利をおさめた。5万8564人の大観衆が詰めかけたW杯壮行試合を勝利で飾り、チームは29日、事前キャンプ地のアメリカ・フロリダに向けて出発する。

以下、試合後の選手コメント

●FW香川真司(マンチェスター・U)
「お互いのイメージを共有していかないといけない。いいところも出たとは思うけど、課題も出た。修正していきたい」
―ゴールシーンは?
「縦パスがダイレクトが入って。PA内に走りながら、ボールを動かしながら連動したときというのは、自分の良さも出るし、チームとしても必ずチャンスにつながると思う。その回数を増やすために、左サイドから中に入るタイミングだったり、距離感であったりを確認していきたい」
―これから世界を相手にした場合、今日のようにチャンスが多くつくれるとは限らない。
「最後のところで決め切らないといけない。最後をどう崩すかという部分で、やはりリスクを冒さないといけない。ワンツーだけで崩せるかというと、それだけでは決してないので、シュートであったり、ゴールへの強い意識を持つことが重要。そういう意識が2次攻撃にもつながる。きれいなイメージを持つことも大事だけど、そういう部分が大事になってくると思う」
―ミドルレンジからのシュートの意識も感じられたが?
「シュートへの意識は常に持ち続けないといけないと思っている。でもそれは1試合で変わるものではないので、やり続けないといけない」

●FW大久保嘉人(川崎F)
―以前から代表でやる自信はあると言い続けていたが、実際やってみてどうだったか?
「もっと増しましたよ。全然できるわって。楽しかったです」
―コミュニケーションも問題なさそうだった。
「初めてにしてはできていたかなと思う。あとはボランチのところからの縦パスをもっと要求したい。今日が初めてだったので、これからもっと発揮できるんじゃないかなと思う。そうなれば、日本のやりたいサッカーがもっとできると思う」
―試合後、本田と話していたが?
「(本田)圭佑が持ったときに、一回、左サイドに開いたけど、中に行こうか迷った場面があった。外に開いたら、DFも付いていっちゃうから。(そうでなければ)そこに(香川)真司が入ってこれるからと。それだけです」
―試合後、監督に何か言われた?
「2日間を有意義に使えと。それが終わったらサッカーに集中してもらうからと言われた」

●FW岡崎慎司(マインツ)
「マインツでは、自分しか選択肢がない状態もあって、自分にボールが集まる回数も多いけど、今日は経由するところが多すぎて、シンプルに自分や(柿谷)曜一朗のところに集まらなかった。これだと前の選手としては難しい。一発目のターンで裏を見ている選手が少ない。トラップのあとに近くしか見ていない。疲れもあるから、足下足下で正確にやろうとしているのもあったと思うけど……。自分の良さを出すには要求しないといけない」
―これまでも感じてきていた課題?
「相手による部分もあると思う。今日はベラルーシ戦と似たような感じだった。要求も必要だし、相手によってやり方も変えないといけない。自分だけが(裏を)狙っていても、出てこなかったら無駄走りになる。いろいろ話をすることも大事だし、いろいろ整理することが大事。今日の相手だから勝てたけど、W杯本番を考えると、今日はそういうリアリティーはなかった」

●FW柿谷曜一朗(C大阪)
「久しぶりに代表に合流して、結果、勝てたのはよかった。思ったより全員動けていたし、僕も動けていた。W杯には疲労をためずに試合に入ると思うし、いい準備ができれば。勝ち癖を付けるというか、結果がすべて。いくら勝っていても、W杯で負けたら意味がないけど、それまでに勝ち癖を付けておくことも大事」

●MF長谷部誠(ニュルンベルク)
―厳しくいけていたのでは?
「アメリカでまた親善試合があるので、そこではもっと戦えるようにしないといけない」
―入ったらどうしようと考えていた?
「前半を見ていて、ボールを取られてからすぐに切り替えて、奪い返したときに一番チャンスになっていたので、あそこを早くしようというのは考えていた。あとは早いタイミングで速いパスを入れるというのを考えていた。相手も後半の方が疲れていたので、押し込めるとは思っていた」
―コンディションは?
「もちろんもっともっと上げていかないといけないし、今日はあわよくばハットトリックくらいを狙っていた。自分の課題としては決めないといけないと思う」
―仮想ギリシャという点では?
「ギリシャもしっかりあのようにブロックをつくって守ってくるし、カウンターは今日より高いレベルで来る。力を持っている。センタリングに対してはもう少し改善しないといけない。ボールウォッチャーになってしまうところがあった」

●MF山口蛍(C大阪)
「前半はどのポジションも後ろからタイトに付かれていたので、足下はなかなか厳しかった。付けても、もう一回返すだけというようになってしまっていた。ああいうときに裏に抜け出す動きというのをもっと見てあげられたらと思った」
―ブロックを敷かれていたが?
「前半はなかなか崩せなかったし、後半は自分たちでボールを支配して、タイミングを見てというのをしないといけないと思う」
―ゴールの起点になったが?
「まあ、そこまでは何も……。でも、今までよりは前への意識というのが少しずつ出てきていると思う。周りからも前を意識するように言われている。特に(柿谷)曜一朗くんとはチームでやっているから、いつもどおり俺に当てたら出て行けと言われている。曜一朗くんとのコンビをもっと出していければいいのかなと思う」
―遠藤、長谷部と一緒にプレーしたが?
「今までどおり変わらないと思うし、どっちとやってもしっかり対応できる。ただ、どっちとやってももう少し攻撃で出て行ければいいのかなと思う」
―ミドルの意識も強く見えた。
「そうですね。試合を通してもう少し打てたらいいと思います」
―1-0というスコアについて。
「見つかるものはあった。1点しか入らなかったけど、チャンスはつくれていた。ゼロで終わる、1-0で終わるのは素晴らしいこと。これだけ疲れている中で、全員でしっかり抑えきったのは良かったと思う。多くの選手が出たし、いろいろオプションを練習でも試合でも加えていければいいと思う」

●DF内田篤人(シャルケ)
―久々の実戦だったが?
「3か月ぶりかな。45分、ある程度やれて、結果も出て、ホッとしている」
―体を入れて守備をする場面もあった。
「ああいうところで負けずにマイボールにできたら後ろも楽だし、前にも行ける。あそこで負けると、チームがうまくいかない」
―先発だったが?
「監督からは何も言われてなかった。スタメンかも途中出場かも分からなかったけど、準備しているつもりだったし、90分はないかな、何となく45分かなと思っていた。途中から入って『やっぱりダメでした』じゃ交代枠も使うし、ケガをするならブラジルに入ってからケガをするより、早いうちにケガしたほうがいい」
―ゴールシーンは?
「あの場面は高く行き過ぎたけど、何回もあそこでこぼれているのを見ていた。時間もなかったし、前田さんと池田ドクター、早川さんのために、ちょっと(ゴールを)狙っていた。(出場時間は)45分かなと思っていたし、時間が少なくなっていたから。1点入れて、ベンチに行かなきゃという気持ちがあった。ケガをしてから、ほぼ毎日、どれぐらいの練習をすればいいのか、どれぐらい回復しているのか、連絡を取り合っていた。シャルケのクラブハウスにも来てくれて、シャルケのドクターとも会ってくれた。だから僕は安心してリハビリに専念できた」
―めずらしく素直に喜んでいるように見えた。
「3人だけじゃないけど、3人の存在は大きかった。選手がスポットライトを浴びるのも、あの人たちが時間を削って、選手のためにやってくれているから。ケガをして、そういうことを学んだ」
―手応えもあった?
「申し越し場馴れしてくると、遠いFWも見えてくる。いつもなら(香川)真司ぐらいまで見えているけど、今日は近場の選手しか見えなかった。45分、リバウンドもなくできている。このままいけば問題ないかな。何が起こるか分からないけど」
―感謝を表すためにゴールが欲しかった?
「一番分かりやすいのがゴールだから。実は狙っていた」
―試合前に宣言していた?
「宣言したらできないから」

●DF吉田麻也(サンサンプトン)
「サウサンプトンでもケガから復帰していきなり90分使われるようなことも多かったので、今日もそのつもりで準備していた」
―コンディションは?
「コンディションは7、8割。試合をしていなかったというのもあるけど、ケガがどうというのはあまり感じなかった。あとはしっかり休んで、またアメリカでこなせれば、良いコンディションで臨めると思う。ここまでのプロセスはほぼ100%で来ていると思う」
―フィードのミスがあったが、試合勘の問題?
「試合勘であったり、ボールのフィーリング。サイドチェンジで3回ミスしたが、やみくもではなく意図して蹴った。トライすることと、フィーリングを確かめるためにもやってみようと思った。3回ともミスしたが、今のこの時期しかできないと思い、試してみた」
―疲れはピーク?
「疲れを通り越して回復しつつある時期。今まで出ていた選手でも最後までレギュラー争いはあると思う。それは僕にも言えること。最後の最後まで何が起こるかわからない。ケガしている選手も、試合に出ていない選手も最後まで競争していかないといけない。その中でチームが向上していくのではないかと思っている」
―仲の良い内田が決勝点を決めた。
「内田選手の決勝点で試合が決まる日が来るとは思っていなかったです!」
―ゴール後に話をした?
「しました。『これで(代表では)何点取ったの??』と聞いたら『2点』と言っていた。僕も代表では通算2得点。並ばれたのでヤバイ」

●DF伊野波雅彦(磐田)
―左SBに入ったが?
「(長友)佑都が打撲していたので、前半から準備していた。左SBは代表ではかなり久しぶり。今回の合宿中にも練習していなかった」
―違和感はなかった?
「違和感というか、クローザー的な感じだったので。バランスだけ考えるように監督から言われた。クローズという役割だったので、あの時間帯に入るのはしっかり終わらせるのが目的だし、そこを監督に言われた」
―いろいろなポジションをできて、なおかつ最後にしっかりと締める役割ができた。
「時間も短かったし、代表戦自体がかなり久々の出場だったので、チームとしてバランスを崩さないことだけ考えてやった」
―試合後、監督からは?
「しっかり休んで、この2日間でしっかりリフレッシュして、それからトレーニングと勝つことだけを考えて、と言っていた」
―フロリダで残り2試合になるが?
「状況によって異なると思うが、緊急事態に出ることが多くなると思うので、そういう準備はだれよりも難しいと思う。そういう心の準備はしていかないといけない。たとえそういう出番が来ても焦らずにしっかりやりたい」
―クローザーと言えば以前は細貝だったが?
「役割をまっとうするだけです。野球と一緒ですよね。押さえだったり、最後のセーブ。そういう部分で仕事をする人も出てくると思うし、大きい大会になればなるほど、そういう役割が大事になってくると思う。そういう選手がしっかり準備をして、役割を果たせれば結果も残せると思う」
―監督の指示は本番が近づいたと感じさせるものだった?
「いつもどおりです。要求されることは状況に応じて違ってくると思うけど、監督の言っていることはトータル的には変わっていない。どのポジションに入ってもできるようなトレーニングをやってきていると思うので、自分の中で4年間積み重ねてきたもの、いろんなポジションもやったし、いろいろな角度からチームを見ることもできたし、そういったことを自分で整理して出していければいいかなと思う」

●DF森重真人(F東京)
―ブロックを敷く相手を攻めあぐんだ。
「よりパスの精度を上げないといけない。今日も何度もカウンターを受けていたし、足下だけでなく裏へのパスというのも狙うのがいいのかなと思う。研究されていれば、もう一つの選択肢というのを増やしておくのがいいのではないかと思う。センターフォワードに対して、足下や裏というのを増やす。今日は裏へのパスは一本しか蹴っていないと思う。自分のパスの精度やFWとの連係は増やしていかないといけないし、足下ばかりだったら相手も分かってしまう」
―久しぶりの無失点だった。
「無失点でしっかり終われたのはDFとして良かった」
―セットプレーの威力が弱かったのでは? ショートコーナーの効力が下がっている?
「でも、(吉田)麻也も惜しいシーンがあったし、高い相手にはショートコーナーは効くと思う。そこは紙一重の部分がある。セットプレーで点を取ることは考えないと前にはいけないと思う」
―試合後、監督からは?
「この2日間はしっかり休むようにと言われた」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
「フィジカルのトレーニングを積んできて、立ち上がりはみんな体が重そうだったけど、連係面も含めてだんだんよくなったと思う」
―試合後、監督はどんな話を?
「今日の内容に関しては満足していると言っていたし、国内最後の試合で、埼玉スタジアムではこれまでもいいイメージを持ってやってきていたし、いい形でブラジルに行けるのはいいことだと思う」
―4年間でどんな成長をしたか?
「チームとしても経験度が増したと思う。選手もヨーロッパの大きなクラブでやっているし、4年前は海外組が少なくて、国際経験が少なかった。Jリーグの選手も含めて相乗効果が生まれていると思う」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子、児玉幸洋)

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