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4年間で築き上げた確固たる自信「香川真司を世界のみんなに見てほしい」

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 4年前、南アフリカの地へ赴きながら、サポートメンバーだったため、W杯のピッチに立つことはできなかった。その悔しさを忘れることなく、MF香川真司は4年間を過ごしてきた。ドルトムントでは2年連続でリーグ優勝を果たし、マンチェスター・ユナイテッドでも加入1年目でリーグ制覇を経験した。しかし、今季、ユナイテッドはまさかの低迷。香川もリーグ戦38試合中18試合の出場にとどまり、欧州移籍後初となる無得点でシーズンを終えた。しかし、香川の自信は微塵も揺らいでいない。ゲキサカが直撃インタビュー――。

―前回のW杯ではサポートメンバーでしたが、この4年間はどういうものでしたか?
「いろいろな感情がありましたね。4年前のW杯が終わってからは、次のW杯を目指すという気持ちが強かったですし、その中でドイツに行って、マンチェスター・ユナイテッドを経由して、この大会があるという意味で、もちろん、この大会のために戦ってきたという気持ちがあります。早かったですね」

―早かったんですね。
「4年間って、すごく長いですけど、めちゃくちゃ濃かったのは事実です。でも、よく言うじゃないですか? 本番を迎えるときは『あっという間だった』って。そんな感じですね」

―4年前と今を比べて、一番変わったなと感じる部分はどこですか?
「すべてですね。キャリアもそうですし、やっている環境もそうです。自分自身が持っている自信も大きく変わりましたね。今はすごく自信を持っています」

―以前、『プレミアリーグは自分に合わない』『リーガ・エスパニョーラの方が特徴は生きる』と話していたのを覚えています。それがプレミアリーグへ行くことを選んだのも、自信が膨らんだからでしょうか?
「そうですね。もちろん、サッカーにはいろいろな変化がありますし、ドイツもどんどんレベルが上がっています。ただ、プレミアリーグは実際にプレーしてみても、一番難しくて、一番レベルの高い舞台なんじゃないかなと感じます。まだスペインは経験していませんが、プレミアを2年経験して、一番タフなリーグなのかなと思っています」

―その中でもアレックス・ファーガソン監督の下で臨んだ1シーズン目は非常に良い結果を残しました。アジア人初のハットトリックもあり、得たものは大きかったのでは?
「かなり大きかったです。ああいうビッグクラブで戦うことで自分の成長を感じますし、主力として戦うために、ピッチに立つために、戦わないといけません。そういうところで戦うことが代表にとっても大切なんじゃないかなと感じています」

―今シーズンはクラブで苦しみました。何が要因だったのでしょうか?
「いろんな問題があると思うんですけど……。チームとしての方向性であったり、まとまりであったり、監督も代わったので、そういうところでいろいろな難しさはありました。うまくいかなくて、チームとしても自信を欠くことが多かったと思いますし、そういうことが結果に出ていたのかなと思います。メンバーを見れば、本当に素晴らしい選手がたくさんいますし、1シーズン前は優勝したわけですから、そういう意味ではチームとしてピッチの上でうまく戦えなかったのかなと思います」

―現在の自分の状況を踏まえて、理想と現実をどのように捉えていますか?
「もちろん、だれもがオカちゃん(岡崎慎司)のように素晴らしい結果を残してW杯を迎えたかったと思います。でも、自分にとっては、チームとしても本当に不甲斐ないシーズンになってしまいました。本当に悔しい1年でしたし、試合に出られない時期もありました。でも、ポジションをつかむために、練習や日常生活から自分を信じて、前向きにやるしかなかったですね。孤独でしたが、そういうことを考えさせられましたし、そういう経験や強さというのは、これまで経験できなかったことだと思っています」

―ピッチではシュートが少なかったように感じました。
「個人的には、そうですね。ゴールがゼロですから。それに比例してシュート数が少ないというのは感じています。それが自分の永遠の課題だと思うんですよね。クリスティアーノ・ロナウドとかは1試合あたり平気で10本ぐらいシュートを打っている。それぐらいの自信があるからかもしれませんが、やっぱりそうじゃないと攻撃の選手は怖くないですし、シュートの意識や精度をもっと求めないといけないと感じています。ルーニーを見ていても、すごくシュートを打ちますし、マタもそうですけど、うまかったですね。それをあこがれではなく、どうやって自分のものにするかということをもっともっと追求していきたいと思います」

―ユナイテッドではファン・ペルシーやルーニー、マタにボールを預けることが多かったかもしれませんが、代表では多くのボールが集まってくることになると思います。
「代表ではより求められるものは大きくなると思っていますし、ユナイテッドでやっている分、周りから求められるものも大きいと思います。ただ、それで自分がルーニーになれるかというと、そういうわけではない。そこは勘違いせずに、自分が結果を残さないといけないという気持ちは強く持っているので、それをW杯という舞台で出せたらいいかなと思います」

―ユナイテッドの選手も数多くW杯に出場しますが、W杯の話をしたりしましたか?
「話しましたね。どうなるか予想したりして。ルーニーは『日本は難しいだろう』と言っていましたが、僕も『イングランドの方が難しいだろう』と言い返しておきました(笑)。でも、W杯になると、どこのグループに入っても厳しいですからね」

―ユナイテッドの2年目ならではの手応えは?
「精神的に図太くなったのかなと思います。ビッグクラブは本当に競争が激しいですし、一流選手が集まる場です。全員が『自分が一番』と思ってやっているクラブなので、そこで遠慮したり、謙虚というか、そういう気持ちで戦っていては勝てない。そういう意味で精神的に伸びていると思います。逆に日本代表に帰って来たら、『みんな、おとなしいな』と感じることもあって、もっとケンカというか、自分から要求することがあってもいいんじゃないかなというのは感じます。そういうところも自分が還元していければいいのかなと思っています。ビッグクラブでやっていることで、精神的な部分はたくましくなっていると思います」

―チームメイトにいろいろなことを言っていく?
「言っていくというより、彼ら(ユナイテッドの選手たち)が本当にすごいなと感じるのは、練習のボール回しから勝ち負けに本当にこだわっていますし、そういう姿勢というのは見習うべき部分でもあるのかなと。日本人の良さもありますが、仲が良いだけではダメですし、もっと自分で表現していくということが必要だと思っています。競争力や激しさが大事になるんじゃないかなと思っています」

―今回の代表には、C大阪時代に1年間、チームメイトだった大久保嘉人選手や、同期の柿谷曜一朗選手も選出されました。彼らとのプレーを楽しみにしているファンもいると思います。
「C大阪のファンにはたまらないと思いますね。ファンの皆さんに恩返しができるところですし、うれしく思っています。ただ、僕らはそれだけで喜んでいる場合ではないですから。ピッチで結果を出さないといけないですし、代表が勝つためにも、個人として良いパフォーマンスを出すためにも、うまく連係してやっていければと思います」

―日本代表が世界に通用するところ、あるいはまだ足りないところはどこだと思いますか?
「チームとして戦うことが大前提ですし、チームワークというのはサッカー以外でも日本人の特長だと思います。ただ、相手には身体能力に長けるチームも多いので、チームとしても、個人としても、戦えるようにして、結果を残さないといけないと思います」

―W杯で着用するスパイクも発表されましたが、今回の『アディゼロ f50』は非常に特徴的なスパイクですね。
「このデザインにはいろいろな意味がこめられていますからね。ブラジル大会限定のシューズですが、『白黒を付ける』という意味の2色のカラーリングであったり、W杯のトロフィーをイメージした3本線であったり。さまざまな意味が込められていると思うので。そういうスパイクを履いてW杯で戦えることがうれしいですし、デザインも斬新で、すごく格好いいと思います」

―あらためて、W杯への意気込みを。
「初戦が大事になってくると思います。それは4年前も見ていて、すごく感じたので。日本代表だけでなく、どのチームも初戦を大事にしていると思いますが、初戦のときにどういう状態でいられるかを今から意識していますし、初戦に良い状態で臨めるように頑張っていきたいと思います。僕自身、4年前とは成長度合いも、キャリアも違いますし、自信を持ってやっていきたいですね。いつもどおりの準備をしたいと思いますが、それが簡単なようで難しい。しっかり初戦を迎えられるように取り組んでいきたいです」

―そういう意味では、4年前にサポートメンバーとして帯同していて良かった部分もありますか?
「どうなんですかね。行って良かったのかな。あそこでああいう悔しさを味わえたので。でも、今は本当に楽しみでしかないですね。ファンのみなさんには僕を信じて応援してほしいですし、日本代表を信じて応援してほしいです。それが僕たちの力になるので」

―日本代表の『10番』として臨むW杯です。
「背番号10はだれもがあこがれる番号ですし、僕もつけさせてもらって誇りに思っています。プレッシャーというより、自分は自信を持ってピッチに向かうだけです。W杯は世界中の人が見る舞台なので、香川真司を世界のみんなに見てほしいと思っています」

(取材・文 河合拓)

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