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[MOM1040]四日市中央工MF加藤慧(3年)_自覚とともに成長のMFが3発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.31 全国高校総体三重県予選準決勝 四日市中央工高 5-0 近大高専 鈴鹿スポーツガーデン]

 名門・四中工の頼れるアタッカー・加藤慧(3年)が3得点1アシストと大暴れした。前日に行われたベスト8の上野高戦での反省から、「立ち上がりを意識していた」と話した通り、開始5分に左サイドでスローインを受けると、細かい足技でDFをかわし、中央へとパス。FW上條翔太の先制点をお膳立てすると、10分にはFW小林颯のパスを右足で冷静に決めて、早々と試合の大勢を決めた。以降は、「立ち上がりは良かったけど、2点を獲ってから悪かった」とこぼしたように、勢いは低下したが、後半4分には持ち場である左サイドから右に流れた所に、ボールが入り、「思いっ切り振り抜いた」という一撃でチームを再び、勢いに乗せると、試合終了間際の32分には途中出場のMF川村悠輔のクロスをゴール前で、トラップで上手くコントロール。「狙ったわけではなかった」シュートだったが、相手GKのミスを誘って、ネットを揺らした。

 昨年7月に行われたプリンスリーグ東海の中京大中京高戦以来のハットトリックだが、「今日の出来は今一つ」と納得はしていない。「集中出来ない時と出来る時がある。ミスが続いちゃうと、集中が切れちゃう」と自己分析したように、ゴールこそ奪ったものの、仕事が出来ない時間もあった事が反省に繋がっている。樋口士郎監督も「ポテンシャルは高いけど、サボっちゃう。良いシュートを左右両足で蹴れるし、フィジカル的にも逆サイドに踏み込んで蹴れたりする。だけど、運動量や中盤での質が低く活かし切れていないので、そこさえ高まってくれれば、もっと面白くなる」と期待と苦言が入り混じった言葉を彼に送った。

 だが、最終学年を迎えた今年は人生で初めて副キャプテンに就任。「3年生になると、自覚が選手を変える事がある」という指揮官の思惑が見事にハマり、「チームを引っ張っていきたい」と意気込むように自覚が出てきた。自覚が選手としての成長にも繋がり、試合中に声が出るようになっただけでなく、まだ一定とは言えないが、少しずつ安定感が増すなど、プレーに変化が生まれてきた。

 自身がすべき事は「得点」ときっぱり言い切ったように、チームを牽引しなければならないという自負もある。「中心になる選手は波があったらダメなので、毎試合活躍出来る選手になりたい」と力強く口にし、続く決勝戦でのゴールラッシュを誓った。

(取材・文 森田将義)

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