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[MOM1041]海星MF朴諒樹(3年)_輝かしい走りの経歴、エースは走って、戦って栄冠を

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[5.31 全国高校総体三重県予選準決勝 海星高 3-0 宇治山田商高 鈴鹿スポーツガーデン]

「とにかく持久力がある。スタミナは最後まで持つし、ボール扱いも上手い。攻撃の核となる選手」と海星高の青柳隆監督が信頼を寄せるのが、エースナンバーである10番を背負うMF朴諒樹(3年)だ。

 相手に攻め込まれた立ち上がりを上手く回避した前半は、右サイドに張った位置でのパスで攻撃の起点となるだけでなく、機を見ては中央へとドリブルで切り込み、チームを牽引。ゴールこそ奪えなかったが、前半14分にはMF清水七海とのパス交換から右サイドへと展開。DF辻森拓のクロスからFW水谷亮太の先制点を演出した。
 
 DFラインからクリアボールを大きく蹴りだしたため、自身が受ける場面が少なくなった後半は序盤こそ存在感が薄れてしまっていたが、リズムを取り戻すべく、ボール回しで苦戦する後方をサポート。低い位置に落ちながら、中央からのパスでチームを支えた。「昨年は個々の能力がずば抜けている選手が多かった。だけど、今年はそんな選手がおらず、皆が120%頑張るチーム」と評する中でも、彼の存在は抜けていた。

 中学時代は地元である四日市市立楠中のサッカー部に所属。「中学時代の林先生にとっても走らせてもらった。感謝しています」と話すように、通常練習後に1時間の走り込みを行うなど徹底して、走力を鍛えた。小学校時代は走りに自信が無かったというが、中学時代には三重県の駅伝大会で区間賞を受賞するまで成長した。海星高から声がかかったのも、最初は陸上部だったが、先輩たちに魅了され、サッカーを選んだ。

 だが、入部初年度の1年時には陸上部に駆り出され、高校でも県の駅伝大会に出場。2年時にも声がかかったが、時期が被った選手権のメンバーに入ったため、出場を辞退した。ここまで輝かしい走りの経歴が並ぶが、「実は走るのが苦手なんです」と苦笑いする。今の彼を動かすのは「海星高校サッカー部として勝ちたいから」。この日は前日のベスト8に続く連戦。試合中にしんどくなる場面もあったと言うが、「気持ちで上回った。応援も凄かったし、僕たちは100人以上いる部員の代表なので負けるわけにはいかなかった」と気持ちで最後まで走り切った。「目標は山梨へ行くこと。僕ら部員だけじゃなく、親やコーチの思いも僕たちは背負っているので、絶対に勝ちたい」。目の前に迫った目標のためにも、決勝でも彼は走り続ける。

(取材・文 森田将義)

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