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[オーシャン杯]新生大阪のキーマンFP森秀太「やるしかない。やります」

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[5.24 オーシャン杯3決 大阪1-1(PK4-5)湘南 小田原]

 木暮賢一郎新監督の采配からも、期待がうかがえる。大会初戦の神戸戦(4-0)でベンチスタートとなったシュライカー大阪のFP森秀太だが、準々決勝の府中戦(6-3)から、3位決定戦の湘南戦までの3試合に先発出場。Fリーグの絶対王者でキャプテンを務めた経歴を持つ森は、試合毎にパフォーマンスを上げ、新生・大阪の軸になれることを証明した。

 加入後、初の公式大会を終えた森は「名古屋でグレさん(木暮)と4年間一緒に(選手として)やっていて、いろんな話を聞いて、自分のスタイルに合うと思っていました。昨年、(木暮監督の率いる)U-23選抜に選ばれたときも、自分にフィットしていたので、出られるかどうかは分かりませんでしたが、やるフットサルは自分に合っていると思っていました」と、早い段階でチームにフィットできた要因を明かす。

 3位決定戦、大阪の得点場面も森のボール奪取が起点となっていた。「僕の中でグレさんがこうやりたいというのは、大阪に来る前から分かっていました。この1か月でイメージを合わせて、少しの誤差を修正できましたね。プレスの掛けやすさもありますし、飛び込んでかわされる場面もありますが『行くところはアグレッシブに行っていい』『リスクをかけていい』と言われているので、そういうやりやすさはありますね」と、新監督の要求が自身の持ち味を発揮しやすくしていると話す。

 今シーズン、大阪は他クラブよりも早く始動していた。大会前、全体練習を数日間しかしていないチームもある中で、約1か月の準備を行っている。結果こそ4位に終わったが、チームとしての完成度の高さは、対戦した名古屋、湘南も認めるほどだ。

「始動が早かったこともありますが、グレさんのやりたいことがハッキリしているので、それを選手がやろうとしているので、同じベクトルでブレずに共有できているんじゃないかなと思います。だから、4位というのが悔しさしかないですね。昨日の名古屋戦でも、自分が防げた失点がありましたし、今日の湘南戦も決められるところがあったので。もう少し良い結果が出せたんじゃないかと思いますね」

 古巣・名古屋と対戦した準決勝(延長4-7)では、あらためて、その強さを感じ取った。これまで紅白戦で何度も対戦してきた選手たちが相手だったが、「紅白戦だったら、もっと相手もリスクをかけて来ますけど、結構、慎重だったというか。うまく隙を突いてくる感じでしたね、公式戦の名古屋は」と、名古屋のしたたかさを感じ取っていた。

 この名古屋を倒してリーグを制すことが、今季の大阪の目標だ。それでも森は、名古屋だけを意識してはいけないと話し、良い傾向が大会中に見られたと続ける。

「名古屋に勝つことはもちろんですが、名古屋戦だけモチベーションを上げるのは、僕のなかでは違うというか。やっぱり全部、同じモチベーションでやらないとお金を払ってもらっているお客さんにも失礼ですし、名古屋戦に勝って次に負けたら意味がないと思うので。だから、この4日間で4試合やりましたが、名古屋戦だけモチベーションが高かったわけではなかった。そういった意味でも、今後につながる大会だったと思います。4試合とも同じモチベーションで戦えたので」

 1か月後に開幕するリーグ戦へ、森は自信を見せる。「もっと良くなると思います。アグレッシブっていうのが、自分たちもやっていて気持ち良いです。いろんな戦術がありますが、自分たちがやっていて楽しいというのが、今は良い方向に行っていると思います。ベテランの選手も含めて、みんながチャレンジしようという感じがするし、それに結果がついてこないといけない。今年はやるしかないです。やります」と、強い決意を口にした。

(取材・文 河合拓)

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