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同点弾の遠藤、4連勝にも「過信してはいけない」

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[6.2 国際親善試合 日本3-1コスタリカ タンパ]

 逆転勝利を呼び込む同点弾だった。1点ビハインドで前半を折り返すと、後半開始からMF遠藤保仁がFW岡崎慎司とともにピッチに入った。

「前半も流れは悪くなかった。しっかりリズムをつくって、1点リードされていたので、極力早い段階で同点に追いつけるように、しっかりゲームをつくれればいいかなと思っていた」

 ボランチの位置でパスをさばきながら積極的にゴール前にも顔を出した遠藤は、その言葉どおり、自らのゴールで試合を振り出しに戻した。後半15分、FW香川真司が左サイドからクロスを入れると、逆サイドまで流れてきたボールをFW本田圭佑がゴール前に折り返す。「低い声で『スルー』という声が聞こえた」というDF内田篤人がスルーし、遠藤が右足で流し込んだ。

「フリーだったし、(内田)篤人もよくスルーしてくれた。サイドチェンジっぽい形で、ある程度狙いどおりのゴールだった」。遠藤のゴールは昨年9月10日のガーナ戦(3-1)以来、約9か月ぶり。「キプロス戦もそうだけど、3列目が攻撃に絡むと、チャンスになる。バランスは大事だけど、リスクを冒すところは冒していかないといけない」と、果敢な攻撃参加でチャンスを逃さなかった。

 これで昨年11月19日のベルギー戦(3-2)から国際Aマッチ4連勝。悪夢の4連敗で南アフリカW杯を迎えた4年前とは、結果もチーム状況もまったく異なる。それでもチーム最年長の34歳は「すべての過程で前回とは違うし、単純に比較することはできない。いい状態にするために最善の努力をしているし、結果を出しながら本番を迎えるのが一番いいことだけど、過信してはいけない」と、表情を緩めない。

「一つひとつ課題をつぶして、自信を深めながら次のザンビア戦もやっていきたいし、結果を出して、自信を持って初戦に臨めればと思う。いい手応えをつかみつつあるのかなと思うけど、今日もまだ危ない場面もあった。自信を持つところは持っていいけど、細かいところを見て、課題も見つけていかないといけない」

 チームの舵取り役を担うベテランは冷静に現状を分析し、6日のザンビア戦を見据える。「もちろん、これで雰囲気も良くなるし、結果を出しながら次に向かうのはいいこと」。2011年1月のアジア杯ではPK戦勝利を含めて5連勝で優勝したが、90分以内での国際Aマッチ5連勝となれば、約10年ぶりとなる。W杯本番前最後の強化試合となるザンビア戦。本大会へ弾みを付ける勝利でブラジルへ乗り込むつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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