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W杯注目選手[バトルプレイヤー]Vol.4:FWルイス・スアレス(ウルグアイ)

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 世界の頂点を目指し、「白か黒か」勝負を決する2014 FIFAワールドカップ ブラジルに向け、アディダスが開発した「バトルコレクション」は、シンプルかつ斬新な白黒のバトルグラフィックを採用。「プレデター インスティンクト」「アディゼロ f50」「ナイトロチャージ1.0」「パティーク11 コア」の4モデルの中から選手はそれぞれのプレースタイルに合わせ、最も自分に適したスパイクを着用し、ブラジルのピッチに立つ。そんな“バトルプレイヤー”から大会注目選手をピックアップ――。

 4年前、世界中で物議を醸した男は、再びW杯の舞台に戻ってくることをあきらめていない。5月22日に左膝半月板の手術を受けたウルグアイ代表FWルイス・スアレス(リバプール)。一時はW杯出場も絶望的かと思われたが、23人の最終登録メンバーに入り、今月2日にはチーム練習への合流も果たした。

 順調な経過を見せているとはいえ、開幕までにどこまでコンディションを戻せるかは未知数だ。それでも、奇跡を期待させる何かをこの男は持っている。今季のプレミアリーグでは31ゴールを量産し、得点王のタイトルを獲得。イングランド・プロサッカー選手協会(PFA)の投票による13-14シーズンの年間最優秀選手にも選ばれた。

 チームはシーズン終盤の失速で24シーズンぶりの優勝を逃し、3-0から追いつかれる悪夢のドローに終わった5月5日のクリスタル・パレス戦後はスアレスも人目をはばからず号泣した。クラブで味わった絶望を代表で晴らすためにも、簡単にW杯をあきらめるわけにはいかなかった。

 2010年の南アフリカW杯では3ゴールを挙げたが、それらのゴール以上にサッカーファンの記憶に強烈に残っているのが、準々決勝のガーナ戦で見せたハンドだろう。1-1の同点で迎えた延長後半アディショナルタイム。ガーナFWアディアーのヘディングシュートをゴールライン上にいたスアレスが意図的に手で弾き出した場面だ。

 当然、スアレスにはレッドカードが示され、ガーナにPKが与えられたが、決めれば勝利が決まる場面でガーナFWアサモア・ジャンのキックはクロスバーを直撃。その瞬間、スタンド下の通路で雄叫びをあげながらガッツポーズを繰り返したスアレスの姿は賛否両論を呼んだ。

 結局、1-1のまま突入したPK戦を制し、40年ぶりとなる4強入りを果たしたウルグアイだったが、スアレスを出場停止で欠いた準決勝でオランダに2-3で敗れ、3位決定戦でもドイツに2-3で敗戦。ドイツ戦では、出場停止から復帰したスアレスがボールを持つたびに大きなブーイングが飛んだ。

 試合中の噛み付き事件や人種差別発言など、“素行”は問題視されることも多いが、その能力を疑う者はいない。今大会ではイタリア、イングランド、コスタリカと同じ激戦のグループDに入った。グループリーグ初戦のコスタリカ戦はともかく、イングランドとの第2戦、イタリアとの最終戦、さらには決勝トーナメントを見据えたとき、スアレスの復活なくして上位躍進は考えられない。

 今大会と同じくブラジルで開催された1950年のW杯以来、64年ぶり3度目の頂点を目指す南米の古豪。その命運は“手負い”のエースが握っている。

▼スアレスがブラジルW杯で着用する「バトルコレクション」の詳細はこちらから


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