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得点も失点も多いサッカー…本田「想定はしたくないけど覚悟しないといけない」

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[6.6 国際親善試合 日本4-3ザンビア タンパ]

 またしても先に点を取られてしまった。しかも前半9分という立ち上がりの時間帯だった。

 2日のコスタリカ戦(3-1)後、「先制されるのがいけないということに執着しすぎるのがチームとしていいのか。ただ、フワッと入るよりは100倍良いと思うので、そこは厳しくいきたい。精神面がそういうものを阻止できるのではないかと僕は考えている」と試合への入り方を戒めていたFW本田圭佑(ミラン)にとって、ザンビア戦の早い時間帯の失点は、頭がカッと熱くなるようなことだったに違いない。事実、自身の2度のゴールシーンも、勝利の瞬間も、本田の表情は険しいままだった。

 しかし、意外にも試合後の口調は穏やかだった。

「先制されるのは気の緩みなのか」という問いかけには、「話すと長いし、難しい。自分自身、100%自信のある答えはない」と切り出し、さらに続けた。

「前回のW杯と今回では、守備(の仕方)では違っているから、単純に比較しても参考にならない。どちらにもいいところも悪いところもある。前回のスタイルだと失点はしなかったかもしれないけど、4点は取れなかった。悪いところばかりを言うのはメディアの皆さんに任せて、このスタイルで行くと決めた以上はこれを貫く」

 本田の言うとおり、岡田ジャパン時代のような守備的なやり方を選ぶなら、センターバックの顔触れは今のようにはなっていないだろう。ザックジャパンは最終ラインで跳ね返すサッカーを選ばず、しっかりつないでいくスタイルを選んだ。それが日本らしい、自分たちらしいサッカースタイルだと信じているからだ。

 とはいえ、攻撃的であるがゆえに試合がオープンになってしまうというジレンマから逃れられないのが現実だ。

「3-2や4-3も想定しないといけないのか」との問いには「想定はしたくない。先制点を取られるというのはやはりイヤ。でも実際に起こっているので覚悟は持っていないといけない」と、苦渋の答えを口にしている。

 一方で、ポジティブな要素は、PKを含めて2得点を挙げたことだろう。90分間プレーし、少しずつコンディションが上がってきている。

「本田は大丈夫かという声があるが?」との質問には「そう言っている人は僕に求めているものが高いのでしょう。逆に、これで良しとしている人には、本田圭佑はこれ以上のパフォーマンスを出せるのだということを見せていきたい。本番では、どちらの考えの人に対してもサプライズを見せたい」

 米国合宿の打ち上げとなったザンビア戦が、この先の方向性にどのような影響を与えるのか。迷うことだけは避けたいところだ。

(取材・文 矢内由美子)

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