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[総体]「エンジン全開で行くのが今年のコンセプト」3分の先制弾で乗った大阪桐蔭が阪南大高破り、決勝L2連勝!!:大阪

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[6.7 全国高校総体大阪府予選決勝リーグ第2節 大阪桐蔭高 2-0 阪南大高 J-GREEN堺]

 平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技(山梨)大阪府予選は7日、決勝リーグ第2節を行い、大阪桐蔭高と昨年優勝の阪南大高が対戦。大阪桐蔭が2-0で勝ち、決勝リーグ2連勝とした。大阪桐蔭は8日の最終節で1勝1敗の金光大阪高と対戦する。

 試合開始から続いた大雨から一転、タイムアップの笛が鳴ると晴れ間がのぞき、同時に大阪桐蔭の笑顔が広がった。先手を奪ったのは大阪桐蔭だった。「この何年か、試合の序盤はいつもノラリクラリだったので、そこを変えたかった。序盤から主導権を握れるようにエンジン全開で行くというのが今年のコンセプト」(永野悦次郎監督)という狙い通り、序盤からボランチの久保田和音久保田貴大を中心に素早くFW奥田陽太ら前線へと展開。彼らを起点とした高い位置での攻撃を仕掛ける事で守備のリスクを回避する戦いを見せた。

 3分に相手陣内でのボールの奪い合いからFW清水大輝がPA左へと繋ぎ、パスを受けたMF神田瑛士郎が相手をかわして狙ったシュートがネットを揺らす。幸先の良いスタートを切ったものの、直後に自陣PAでの競り合いからGK石原亮太が右肩を負傷するアクシデントが発生した。試合は一時中断し、怪我の状態を確認したが、出場は不可能と判断。急きょ、GK上田人志がピッチへと送り出された。

 アップもままならないまま出番を迎えた難しい状況だったが、大阪桐蔭は「初めてこういう場に出るのは緊張すると思う。いきなりシュートを打たれてしまうと、(試合に入れてないので)危ないと思っていたので、なるべくシュートを打たれないように意識していた」とDF上加世田航也が振り返ったように、周囲が上田を支えるプレー。CB坂之上倖輝を中心に奪ったボールを素早く前線へと展開し、ピンチを回避する。相手ボールになっても、高い位置から果敢にボールを奪いに行く事で、「シュートはなるべくミドルシュートに持ち込む」(上加世田)戦法に持ち込んだ。周囲の支えもあり、上手く試合に入る事が出来た上田は前半終了間際にPA中央でFW高橋佳に許した決定的なシュートも完ぺきにセーブ。大阪桐蔭は守備からリズムを作り、1点リードのまま前半を終えた。
 
 大阪桐蔭は後半4分、前線でボールを受けた奥田陽が右サイドへとスルーパスを入れると、MF伊東怜惟が反応。ドリブルで中に切れ込んだ所を倒され、FKを獲得する。キッカーは久保田和。軽く弧を描きながらゴール前に進んだボールは、左ポストに当たりながらもネットを揺らし、2点目となった。
 
 以降は「良い守備が出来れば、勢いに乗って良い攻撃に繋がるというのが自分たちのテーマ」(上加世田)との言葉通り、大阪桐蔭は全体をコンパクトに保ち、DF陣の跳ね返しを中盤が確実にマイボールにするなど安定した守備を披露。素早く攻撃に転じると、ミドルシュートでラインを低く設定した相手DFを引き出し、生まれたスペースを、FWを起点とした繋ぎから3人目が飛び出して好機を連発。最後まで攻める姿勢を見せつけ、2-0で勝利した。

 2連勝で迎える決勝リーグ最終日は永野監督が「一番ややこしい相手」と評する金光大阪高。この後に行われた試合で大塚高に6-1で大勝するなど一筋縄で行く相手ではない。だが、チームが目指すのは「日本一」(久保田和)という一点のみ。全国総体に弾みをつけるためにも、最終戦でも勝利を目指す。

(取材・文 森田将義)

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