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[総体]「勝つだけではダメ」逆転での全国出場狙う金光大阪が、6発快勝で決勝L最終節へ:大阪

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[6.7 全国高校総体大阪府予選決勝リーグ第2節 金光大阪高 6-1 大塚高 J-GREEN堺]

 平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技(山梨)大阪府予選は7日、決勝リーグ第2節を行い、金光大阪高と大塚高との一戦は金光大阪が6-1で勝利。決勝リーグでの成績を1勝1敗とした金光大阪は、8日の最終節で2枚の全国切符のうちのひとつをかけて首位・大阪桐蔭高に挑む。

 初戦の阪南大高戦を0-2で落とし、全国行きを掴むためには勝つしか後がなかった金光大阪高が圧倒的な破壊力を見せつけ、山梨行きに望みを繋げた。

「今日は勝つだけではダメ。(得点失点差を考えると)得点を積み重ねるというのが課題だった。1点を獲って喜んでいる場合ではない。喜ぶ30秒があれば、もう1点が獲れるのですぐリセットしなければならない」。岩松哲也監督が口にした強い意志は立ち上がりから金光大阪の選手たちに深く浸透していた。

 FW稲野陽介を頂点とし、後方にスピードのある寺田優作新家碧が並んだ3トップをキックオフ直後から効果的に使い、大塚を押し込むと、6分には新家がPA手前で自ら奪ったFKを叩き込み、先制に成功。その後も攻撃の手を緩めず、23分にも右サイドをMF向田凌眞口幸太と繋いだボールを寺田が決めて、リードを広げた。

 2点目を奪ってからは右MFの海堀良祐とボランチの藤江竜也を中心としたボール回しで反撃に出た大塚に押し込まれる場面が増え、29分には相手の突破を防いだこぼれ球を海堀に決められ、1点を与えてしまう。それでも、金光大阪は前半終了間際にゴール前で受けた寺田のポストプレーから、眞口がゴールを決め、2点リードで試合を折り返した。

 ハーフタイムに前半の緩くなった時間帯を指摘され、気合いを再注入された金光大阪イレブンは更なる得点を意識して後半に挑み、22分には中央から出たスルーパスに稲野が反応。左サイドを抜け出し、中へ送ったボールをMF荒田成貴がシュート。クロスバーに当たったこぼれ球を寺田が押し込むと、25分には寺田がこの日、3点目となるゴールを奪い、突き放しに成功する。終了間際の32分にも途中出場のFW奥田宝士がPKを決めて、リードを5点差まで広げた。守備でもMF山田楓真、DF羽田健人の2年生を中心にしっかり守りきり、終わってみれば6-1と狙い通りのスコアで全国総体出場に望みを繋いだ。

「今年のチームは計算が出来ない。試合によっての波が激しい」と指揮官が苦笑いしたように、金光大阪は所属する大阪府1部リーグで前期をわずか1敗で終えて首位を走るなど好調を維持しているが、今大会では低調な試合が続き、初戦となったベスト32の北千里高戦はPK戦の末、かろうじて勝利。ベスト8の桜宮高戦でも得点が奪えず、延長戦で白星を手にした。「勝っているのが不思議。コイツらは目に見えない何かを持っているのかもしれない」と岩松監督も驚く、“意外な”勝ち上がりを見せているが、大会が進むにつれ、「(今年から導入した)3バックからの繋ぎが徐々に良くなったり、守り方が試合を重ねるに連れてフィットし始めた」(奥田)とチーム状態に改善が見られる。4試合4得点とここまで湿りがちだった攻撃陣にとっても、この日の大量得点は追い風となるに違いない。

「あと一試合勝てば全国に行ける。“命がけ”がテーマなので、自分が決めて大阪桐蔭に勝ちたい」。背番号10を背負う新家が意気込んだように、最終日もノルマは勝利のみ。この日の大量得点を勢いに変え、全国切符を掴めるか注目だ。

[写真]6点目を奪った金光大阪FW奥田(左)がMF荒田とハイタッチ

(取材・文 森田将義)

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