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[なでしこ]憧れは大儀見…期待のストライカー吉良知夏が更なる成長誓う

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[6.8 なでしこリーグ第8節 浦和1-0ジェフL 駒場]

 8試合を終えて7勝1敗。昨季は6勝3分9敗で6位に終わっていた浦和レッズレディースだが、今季は早くも勝ち数で上回り、勝ち点では昨季の21に並ぶ好スタートを決めている。快進撃を支えているのは、先月行われた女子アジア杯を初制覇したなでしこジャパンに4名が初招集を受けるなど、若きタレントたちの急成長だ。

 そんな中にあっても、一際目立つテクニックで魅せることが出来る存在がいる。「キラ、キラ、キラ、キラゴール♪」。軽快なチャントに乗ってピッチを躍動する。FW吉良知夏(22)だ。

 普段、吉良はクラブスポンサーでもあるエコ企画の社員として業務に携わっている。「毎日パソコンばっかりいじってます」と事務作業に勤んでいる。土曜日に試合がある週以外は中5日、朝8時半の就業開始から夕方までみっちり就業。社歴はもう5年になる。

 生活については「もう慣れました」とあっけらかんと話す22歳。「(アジア杯の)メダルを持っていったら、みんな触らせてって。でもそういう風に喜んでもらえたことが嬉しい」と照れ笑いを浮かべながら恩返しを喜んだ。

 憧れの選手はチェルシーに所属するFW大儀見優季。アジア杯ではグループリーグ3試合のみの合流となったが、やはり存在感は別格だった。

「誰が見てもストライカーですし、選手からも頼りにされている。前線にそういった選手がいるのは大きいと思うので、憧れています」

 アジア杯では初めて間近で接するチャンスを得た。「連絡先の交換? そこまで行ったらよかったんですけど…」と苦笑い。ただ大儀見がチームを離れる際には“お見送り”をしたそうで、「『頑張れよ』と言っていただいた。残りの準決勝、決勝もということだったかもしれませんが、今後も頑張れよという意味でポジティブに捕えられた。頑張りたいと思います」と目を輝かせる。

 自身も5試合中4試合に出場。ヨルダン戦では初ゴールを含む2ゴールを挙げた。ただまだまだ課題は多いと話す。「レベルが高い選手たちとやり合うレベルまで追いつけていないことが分かった。もう少し出来たんじゃないかなという思いが強い。全部プラスにしたいです」。憧れの大儀見に近づくためにも、まずは赤いユニフォームの背番号10でしっかりと結果を出し続けるだけだ。

(取材・文 児玉幸洋)

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