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[MOM1056]高岡一FW原田正暁(2年)_チームを変えた瞬殺の先制パンチ

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[6.8 全国高校総体富山県予選決勝 高岡一高 2-1 水橋高 高岡スポーツコア]

 注目の富山県予選決勝で強烈なインパクトを残した。高岡一高の俊足FW原田正暁(2年)は前半23分、速攻からGK天野裕二からのパントキックを引き出したが、相手DFにカットされてしまう。それでも「トラップしたところを狙うようにしている」という原田は、DFの足元からわずかにボールが離れた隙を見逃さずにボールを奪い返すと、そのまま抜群の初速の速さでDFを置き去りにし、右足で先制ゴールを流し込んだ。ボールを奪い取る動き、ゴールへ直進するドリブルスピードが非常に速く、先に倒れ込んだGKの動きを見て落ち着いて決めたシュート含めてインパクト十分。中学時に県トレに入っていたというが、国体選抜などの経験もないFWが県決勝の舞台で最大級の輝きを放った。

 この先制点はそれまでシュートシーンが全くなく、水橋高に押し込まれていた試合展開を劇的に変えた。高岡一の松浦朗夫監督は「あの場面まであまり守備をしていなかった」と苦笑いしながらも、「失った瞬間が一番チャンスと言っている。思い切っていってくれました」とゴールに感謝。原田も「ベンチからも『あの1点で助かった』と言ってもらえたので良かった」と素直に喜んでいた。

「足は速いとよく言われる」というように、その豊かなスピードは注目だ。50m走は6秒台中盤と特別速いわけではないが、最初の数歩が非常に速く、この日は得点シーン以外にもインターセプトから抜け出しかけるシーンがあった。本人は「スピードは富一(富山一)との試合の時も、水橋の時も通用するとわかった」と強豪相手でも通用することを実感した様子。「球際、フィジカルを鍛えないと全国で通用しない」と課題も口にしたが、「全国大会でもスピードを活かしたプレーをしたい」と意気込んだ。

 今年1月に富山一高が全国制覇を成し遂げた際には「悔しい気持ちもあった」という。ただ「富一に勝てば有名になれると思った」という通りに富山一を下して全国舞台に立つ。「技術を磨いてどんな相手でも、何でもできる選手になりたい」というFWが課題を突き詰めて成長し、全国での活躍によってさらにその知名度を上げる。

(取材・文 吉田太郎)

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