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第3GK権田が見せる高校生への心遣い、「25人で戦いたい」

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 ブラジルのベースキャンプ地となるイトゥでの初練習後、GK権田修一(F東京)が報道陣の取材に応じた。第3GKという立場を受け入れながらも、試合に出る準備だけは怠っていない。

 これまで国際Aマッチ出場は2試合。ザックジャパンでの出場は昨年7月25日の東アジア杯・オーストラリア戦(3-2)だけだ。GK川島永嗣、GK西川周作に次ぐ3番手の立ち位置。しかし、「監督が(先発の)メンバーを発表するまで、自分が試合に出る気持ちを持って準備しないといけない」と力説する。

「自分の中で毎日毎日、第3GKという気持ちでいたら、いつか気持ちが折れる。23人に入っている以上、試合に出る資格はあって、ここに来ている。試合に出たとき、どういうプレーができるかをイメージしながら準備しないと、個人としてもマイナスになるし、チームにも良くない」

 アルベルト・ザッケローニ監督の初陣となった2010年10月のアルゼンチン戦に始まり、この4年間、コンスタントに日本代表に招集されてきた。ほとんどはベンチを温める日々。その中でたどり着いた境地だった。

「今のこの気持ちになれなかったら、ここまで残れなかったと思うし、成長もできなかったと思う」。控えという立場を知ることで、視野も広がった。そのことを示す言葉が、報道陣から「W杯では23人が一丸となることが大事だが」という質問に対する答えだった。

「僕は25人でやりたいと思っている。23人しか試合に出られないけど、トレーニングパートナーとして全力でやってくれている2人がいる」。鹿児島・指宿合宿からトレーニングパートナーとして代表チームに帯同するDF坂井大将、FW杉森考起を含めた25人で“一つのチーム”。「25人でしっかり戦いたいと思っている」。練習要員としてW杯に臨む日本代表に帯同を続ける高校生2人への気配りが、権田のこの4年間での精神的な成長を何よりも表しているのかもしれない。

(取材・文 西山紘平)

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