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先制アシストもミスを悔やむU-21代表MF秋野「違いを生める選手になる」

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[6.11 練習試合 U-21日本代表1-2大学選抜 J-GREEN堺]

 左足から蹴り出されたボールは、鮮やかなカーブを描いてDF岩波拓也(神戸)へと届く。岩波がヘディングで決めて先制した前半28分の場面、正確なボールを送ったMF秋野央樹(柏)は狙い通りだったと振り返った。

「CKは基本、タク(岩波)を目掛けて蹴っていました。ドンピシャで合って良かったです。試合前に『タクを狙う』とは言っていませんでしたが、自分の中ではそう決めていたんです。タクが一番ヘディングが強いし、中学の頃から一緒にプレーする機会がある中で、タクに蹴れば何かが起こるんじゃないかという気持ちがありました」と語ったように、186センチの長身DFの空中戦での強さを信じたからこその先制アシストだった。

 中盤の底でMF大島僚太とコンビを組んだ秋野は、正確な左足のキックで攻撃にリズムを生み出した。この試合で意識したことは「ボランチがボールに触れればチームが落ち着くと思ったし、僕と大島くんは2人ともボールに触って何かをするタイプなので、とにかくボールに触ることを意識しました。周りにはスピードのある選手が多かったので自分たちが配球役になってチームメイトを生かせればと思っていました」と語っている。

 その言葉どおり、最終ラインまで下がってボールに触れ、サイドチェンジを送る場面を何度も見せた。しかし、ここに課題が残されている。サイドチェンジが味方に合わずに相手にカットされることや、短い距離のパスも味方と息が合わずに度々ボールロストしてしまう。秋野自身も「ミスが多かった。ボールを持ったときに見ているポイントは悪くないと思ったけど、精度を上げていく必要はあります。連係の合わない場面もありましたが、そこは一緒にプレーする時間を増やしていけば、時間が解決してくれる部分だとも思っています」とこの試合で見えた課題を挙げた。

 レフティー特有の独特なボールキープとキックで攻撃を操る男は、「レフティーでサイドチェンジを送れる選手は少ないと思うし、ボランチも少ないので、そこで違いを生める選手になりたい。この3日間でチームコンセプトは頭の中で理解できたので、それをピッチでしっかり表現しないといけないし、もっとやらないといけない立場だと思っています。次に呼ばれたら、もっと成長した姿を見せられるようにしたいですね」と自分の武器を磨きながら、さらなる成長を誓った。

(取材・文 折戸岳彦)

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