beacon

調整不安なんの!本田「理想は決勝で最高のコンディションに」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 コートジボワール戦3日前のイトゥでの非公開練習。広報担当者が全体メニューが終わったことを待機中の報道陣に告げてから、FW本田圭佑(ミラン)が取材エリアに出てくるまでは30分ほどの時間差があった。

「個人練習? はい、していました。フリーキックの練習もしましたし、コンディションのこともある」。本田は全体練習後に居残りでコンディションアップのためにもう一汗を流していた。

 10日に行われたアルベルト・ザッケローニ監督の会見。調子の上がらない本田について聞かれた指揮官は、「試合が進むにつれてパフォーマンスを上げていく可能性が高いかなと思っている」と説明した。

 裏を返せば、初戦までには100%の状態に至らない可能性が大きいということを暗に示した答え。ザッケローニ監督は「(1月に)移籍したミランはビッグクラブであり、そのビッグクラブが苦しんでいた。内部事情が落ち着かず、監督も代わり、難しいシーズンだった」と、状況的にも難しかったことを加えてエースをかばった。

 試合3日前の居残り練習はまだコンディションが不足していることを自覚しているからこそ。しかし、本田はやはり本田だった。指揮官の会見での発言を踏まえ、どこにピークを持っていこうと考えているのかという質問に対し、まずは目をキラリと輝かせた。

「常に理想は決勝に一番最高のコンディションが来ることでしょうね」

 そして、一拍置いてから付け加えた。

「矛盾するようですけど、(W杯は)短期決戦でありながら長丁場になる可能性がある。1試合目で転んだら、グループリーグ敗退が目の前に突き付けられる可能性もある。その中でのこういう調整の仕方。すべては結果を見てもらえればいいと思うんですが、やっている選手たちは先を見据えながら、でも今も一生懸命生きながら準備をしています」

 どんな状況でも決して転ばないのが本田のメンタル。米フロリダ州合宿以来ずっと自然体を強調してきたエースが、心のど真ん中に構える大きな野望を今ひとたび強烈に示した。

(取材・文 矢内由美子)

★大会日程やTV放送、最新情報をチェック!!
2014W杯ブラジル大会特設ページ

TOP